2012年7月8日
日本顎顔面インプラント学会がインプラントのトラブルについて同学会の79認定施設に対してアンケートを行ったところ、ここ3年間で421件発生したと報告されました。
また、日本医学会の調査ではインプラント治療を行っている歯科医の4人に1人はインプラント治療後にトラブルが起きた経験があると報告されました。
いずれも神経の損傷が最も多く発生したと報告されています。
インプラントは失った歯を取り戻し、食生活の質を上げ、クオリティーライフに貢献しますがケースによってはトラブルを起こします。歯科医と十分に相談して治療を受けられることをお勧めします。
2012年6月19日
歯冠部のむし歯が大きくてクラウンを被せられない時に、レジンや金属などで土台をつくります。
比較的多くの歯冠が残っていれば直接、レジンを充填して土台をつくりますが、あまり残っていないと根管に維持をもとめたポストコアを製作します。
大臼歯の歯根は木の根のように広がっていることが多いので、それぞれの根管にポストをいれて、分割したコアをつくります(分割コア)。このように分割して作ったコアはセットすると外れることはありません。
最近は審美性を重視されることが多いため、白いファイバーポストとレジンで土台を作ることが多くなっています。
2012年6月16日
自分ではきちんとブラッシングが出来ているつもりでも、実際には磨けていないというのはよくあることです。自分に合っていない歯ブラシだとなおさらです。
効率的にブラッシングするには歯ブラシの大きさはポイントとなります。むし歯や歯周病になりやすい歯間部と歯頸部を目指して磨くのには、歯ブラシは小さい方が使いやすいでしょう。
自分に合った歯ブラシを選ぶのは大変難しいことです。歯科衛生士に相談してお口の中の状態にあった1本を選ぶことが大切です。
むし歯や歯周病のリスク、生活習慣なども考慮して自分に合った歯ブラシをえらびましょう。
2012年6月14日
疲れると歯から少し離れた歯ぐきに鈍痛があったり腫れたりすることはありませんか。
歯周病に似ていますが歯根の先が化膿している根尖病巣ではこのような症状がでます。
根尖病巣は、抜髄(神経をとる)した歯根の根管が感染したためになりますが、
感染源としてむし歯や唾液が考えられます。感染を防ぐために、むし歯を十分に取った後、ラバーのシートで治療する歯を隔離して治療を行います(ラバーダム防湿)。
根尖病巣は治療することは可能ですが長期間放置していると歯根にバイオフィルムが形成されて治療が大変困難となり抜歯しなければならないこともあり注意が必要です。
2012年6月5日
以外にも20代でも65~70%が歯周病となり、日本人の成人では82%が歯周病にかかっています。
口の中がねばねばする、歯ぐきが赤っぽい、赤く腫れる、出血する、歯がぐらぐらする、歯と歯の間にものが挟まるようになった。このようなサインがあると要注意です。
歯周病の原因はプラークで歯垢とも言われます。歯の表面についている白いぬるぬるしたもので、食べかすではなく、多くの種類が集まった細菌の塊です。このプラークが付いた状態がつづくと歯石になります。
プラークの細菌が血管に入り全身に広がると、糖尿病、心臓血管疾患、脳卒中、誤嚥性肺炎、早期低体重児出産、骨粗しょう症、自己免疫疾患(アレルギー、リュウマチ)、白血病、肝炎の原因にもなります。
歯周病の予防にはブラッシングと生活習慣の改善が有効です。
2012年6月2日
X線は画像診断では主要な診断方法です。
病気になると正確な診断をして治療に役立てたいと歯科医のみならず患者さんも思います。そのために、十分なX線による画像検査が必要になります。
X線による画像診断が不十分だったために患者さんが損を被ることがあっても、十分だったために損を被ることはありません。しかし、線量が低くてもX線による被爆はあり、そのために将来、損が生じる可能性はあります。でも、X線を使用しないと病気による損が生じてしまいます。
私たちは自然から1年間に実効線量で2mSvほど被爆しています。これは、歯科診療でとられる口内法撮影の0.02 mSvの100倍にあたります。
口内法の線量は少ないですが撮影頻度はできるだけ少なくして被爆を減らし、損が生じない様にして患者さんの不安をなくすよう努力しなければなりません。
(実効線量とは人体が放射線を受けた時の影響を組織や臓器ごとに計算し全身について合計した線量をいいます。)
2012年6月1日
今日、NHKの”おはよう日本”の中でインプラント治療に関して、手術の際に神経を傷つけてしびれが残ったなどの重篤な医療トラブルが去年までの3年間に全国で400件余り起きていたことが報道されました。
NHKでは以前にもインプラントのトラブルについてクローズアップ現代で取り上げています。
2012年02月08日 (水) NHK生活情報ブログにNHK生活情報部の米原達生氏から”インプラント治療が問いかける歯科医療の今”と言う書き込みがされています。ご興味のある方はご覧ください。
2012年5月28日
根管治療を行う時、歯の崩壊が大きい場合にレジンなどで歯を囲むように壁をつくり、治療中に唾液で根管が感染しないようにします。
唾液には多種の細菌が非常に多く存在していて、歯はその中にあるため、根管治療中は唾液から歯を隔離して無菌的に治療しなければなりません。そのためにゴム製のシートに小さな穴を開けそこから治療する歯だけを出して行いますが、歯の崩壊が大きいとゴムのシートをかけられません。そこでシートをかけやすくするために壁(隔壁)をつくるのです。
歯を唾液から隔離することは根管治療では最も重要なことでマイクロスコープを使用して治療することより重要に思います。
2012年5月25日
“むし歯が深いので神経をとります”と言われた人は多いかと思います。
神経(歯髄)をとることを抜髄といいます。
歯髄は歯の痛みを感じたり、熱さ冷たさを感じたり、歯に栄養を供給したりしています。
歯髄が観察できるようにした標本をみると歯髄は木の根のように複雑な形をして歯の中にあります。その歯髄をすべてとり、薬をつめるのはとても人の手におえそうにありません。できるだけソーとしておきたいと思います。
でも、どうしても抜髄しなければいけない時は、ラバーダム防湿をして感染に十分気を付け、マイクロスコープを使い行います。
2012年5月23日
最終補綴物、テンポラリークラウンなどを口腔内に装着するとき、咬み合わせで問題を生じないよう口腔内全体のバランスをみながら装着物の咬み合わせの面を慎重に調整します。
調整には咬合紙を使用しますが、当院ではドイツHANEL社製の厚さ12ミクロンのフォイルを使用して咬合関係を理想的な状態に近づけるようにルーペで見ながら少しづつ削合して調整します。
咬合調整が不十分だと食事の時に咬むと痛みを生じます。対合歯との間に隙間があると違和感や痛みは生じませんが咬み合わせがずれてしまうことがあり注意しなければなりません。