破折歯の3年後
2014年1月25日
左下7番の破折のため他院で抜歯と診断されましが、何とか残したいとのご希望で来院されました。
左下7番は近遠心に完全に破折していて、頬舌に分離しているような状態です。かなり動揺していて、頬側に排濃がみられました。
レントゲン写真では歯根周囲に透過像がみられ、歯が骨に支えられていないことがわかります。
当院でも治療の第1選択枝は抜歯であることをご説明しましたが、歯を残すことを強く希望されたため、接着による保存を試みました。
左下7番を抜歯後、根管内の根充材を除去したのちに、スーパーボンドにより接着処置を行い、元の場所に戻しました。その際、抜歯窩の掻爬は行いませんでした。
4ヶ月後、痛みや動揺、排濃がみられないためクラウンによる補綴治療を行いました。(前の歯と連結はしていません)
1年後のレントゲン写真です。
歯根の根尖部から遠心に透過像がみられるますが、かなり改善しています。
3年後のレントゲン写真です。
根尖の遠心部の透過像は1年目と比べてると更に小さくなっています。また、根全体を包み込んでいた透過像はなくなり、歯根膜の存在を思わせる透過像がみられます。
食事の時に何ら違和感はなく、痛みや腫脹などの自覚症状や発赤はみられません。
ご本人は快適に生活ができて、抜歯してインプラントにしなくて良かったと言われています。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院