根尖肥大
2016年1月12日
右下第一大臼歯付近が疲れた時に、鈍い痛みがあると来院された患者様です。
鈍痛は、かなり以前からあり、根管治療は10年以上前にされたそうです。
レントゲン撮影してみると第一大臼歯に根尖病巣がみられ、近心根の根尖が肥大しています。
歯根が長期間にわたって根尖病巣の膿汁の中に浸かった状態にあると、反応性炎症としてセメント質が肥大することがありますが、そのためではないかと思います。
この肥大部分の表面は凸凹して汚く、石灰化物が沈着していることもあります。
(黄色の点線が根尖肥大の部分、赤が本来の歯根の形態ではないかと思います)
クラウン、メタルコアを除去しましたが、歯冠部のカリエス(むし歯)が大きいためラバーダムが行えない状態でしたので、隔壁を作成してラバーダムをしました。
感染に十分注意して根管治療、根管充填を行いました。
根管治療終了時のレントゲン写真です。
術後6年のレントゲン写真です。
根尖病巣は治癒していますが、根尖肥大は治療前と同じです。
今後、この肥大部が原因で根尖病巣の再発が考えられます。
その際は、歯根端切除術にて対応することになるのではないでしょうか。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院