根尖からの歯根破折
2020年5月10日
左上第一小臼歯の頬側が腫脹したした為に来院されました。
咬合痛があり、頬側の歯肉に発赤もみられました。近心と遠心の歯頚部にはプローブが3mm程しか入りませんが、頬側と口蓋の一部にプローブが深く入るところがあります。レントゲン写真では近心と遠心に歯槽骨の透過像は見られませんが根尖部には透過像が見られます。
垂直性の歯根破折と診断しましたので、ご本人様には抜歯をおすすめしました。
しかし、ご本人は保存処置を希望され、接着法を選択されましたのでリスクについてご説明し治療に入りました。
破折歯を抜歯しました。
(頬側)
(黄色が破折部)
(口蓋側)
(黄色が破折部)
頬、舌側とも根尖から破折しており、破折部は黒く変色していて感染していると思われます。
接着法では、破折部の感染を取り除く必要があるために、バーにより削合し、生じたスペースにスーパーボンドを填入します。
スーパーボンドが硬化後、余剰部を根面の感染部と共に除去、研磨します。
(頬側)
(口蓋側)
歯牙を抜歯窩に戻して固定しました。
術後3年のレントゲン写真です。
根尖部に少し透過像があるように見受けられますが、咬合痛や歯肉の発赤,腫脹などの症状はなく、日常生活に不自由はないとのことです。
治療内容:口腔外接着法
治療回数:1回
治療費:¥150,000
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院