2013年8月15日
根管治療(歯内療法)は細菌感染との戦いです。
唾液は非常に多くの細菌を含んでいるため感染源となります。そのため、根管治療(歯内療法)は唾液から遮断された環境で治療を行う必要があります。
もしも、唾液から遮断できる環境を作る事が出来なければ、その歯を抜歯しなければなりません。
根管治療中に唾液を遮断するためにラバーを使用しますが、深い虫歯があると歯とラバーの隙間から唾液が入ってきます。そのような時は歯に壁(隔壁)を作り唾液を遮ります。
昨日、診療室はお休みでしたが、存続が危ぶまれる歯があり、その治療を集中して行うために診療しました。その歯は下顎第2大臼歯で、第1大臼歯が欠損しているためこの歯を失うと、インプラントか入れ歯を考えなくてはなりません。
修復物を取り除き、虫歯も取り除くと予想通り歯の存続が危ぶまれる状況となりました。
浸潤麻酔下で歯肉の処置を行いコンポジットレジンで壁(隔壁)を作り、根管治療が行える環境を作り上げるまでに2回の治療が必要となり3時間を要しました。しかし、これで次回からは根管治療を安心して行う事ができます。
よかったですね。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院
2013年8月9日
金属の充填物を白くしたいという事で来院、治療した症例です。
近心頬側の歯質が少し黒くなっていてカリエス(むし歯)のような感じがします。
このカリエスを取り除くと歯質が薄くなり、その部分の残存歯質が欠けたりするのがチョッと心配ですが、咬合時や側方運動時に対合歯との接触がなく過大な力が加わらないことや、充填で済ませたいとの患者さんのご希望もありましたのでハイブリットレジンを充填することにしました。
やはりカリエスがありました。
あめ色になっているところがカリエスの部分です。エキスカベーターで少しづつ慎重に取り除きました。
カリエスを除去した後、残っているセメントを取り除き窩洞の表面を少し削り、ラバーダムを行って唾液から隔離してハイブリットレジンを充填しました。
ハイブリットレジン充填後の状態です。
色、形態ともに残存歯質と調和していると思います。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院
2013年8月7日
歯科の専門雑誌(ザ・クインテッセンス8月号)に”チタンもアレルギーを引き起こす!”という特集が掲載されました。
チタンは生体親和性が高くアレルギーを起こさない金属として歯科用インプラントだけでなく整形外科でも使用されていますが、最近、チタンが原因と思われるアレルギーの症例が報告され、チタンもアレルギーを起こすことが知られるようになりました。
調査では1~2%の人にチタンに対するアレルギー反応が見られという報告もあります。
歯科では主にインプラントにチタンは使用されています。
チタンのインプラントを用いた場合、通常の口腔内の環境では安定していますが、クラウンやインレーなどに異なる金属が使用されている場合には発症しやすくなります。そのため、アレルギー症状が出た場合はこれらの修復物をセラミックやレジンなど金属を含まない材料にに交換する必要があります。
以前は身の回りにチタンを使用した製品はありませんでしたが最近多くなり、チタンに触れる機会が増しています。そのため今後、さらにチタンによるアレルギーを訴える人が増加しそうです。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院
2013年8月6日
根管治療(歯内療法)は歯肉の中にある歯根の内側を治療するため、術者以外に見ることができませんが、マイクロスコープにSONYのハンディーカムを接続してディスプレイに治療の様子や根管内の状態を映し出すことが可能となりました。大きなディスプレイで見るためマイクロスコープより更に拡大された画像で観察することができます。
いままでは、歯根に生じている穿孔や亀裂、根尖からの排膿や出血の様子をご説明するのは困難でしたが、静止画や動画でそれらの状況を見ていただきながらご説明できるため根管治療について更にご理解いただけるものと思います。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院
2013年8月3日
補綴物を装着する際にはセメントを使用します。
当院ではレジン系のセメントを使用していますが有髄歯、無髄歯で使用するセメントを変えていました。
それは、有髄歯でレジンセメントを使用すると術後疼痛が出やすいため、術後疼痛が出にくいと言われるスーパーボンド(MMA系の歯科用接着材料、成分として4-METAとTBBを使用)でセメンティングしていたためです。
最近は術後疼痛がほとんど出ない3Mリライエックス ユニセム2 オートミックスを使用しています。(3Mによると99.75%の方に術後疼痛が発生しなかったそうです)
有髄歯、無髄歯の双方に使用でき、操作性も優れいるため臨床家としては大変すぐれたセメントだと思います。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院