2012年11月29日
根管治療に使う”MTA”って何ですか?
Mineral Trioxide Aggregateの略で根管内と根管外との交通路を封鎖できる材料です。
1993 年 米国 ロマリンダ大学Dr. Mahmoud Trabinejad らにより開発され、1999年米国Dentsply社がプロルートMTAとして発売しました。
欧米を中心に全世界で高い評価を得ていましたが、日本では8年遅れて2007年に「直接覆髄」への適応が薬事承認され販売されました。
MTAは生体親和性や骨形成・再生能、殺菌的作用があり、細胞毒性や炎症誘発作用を示しません。また、従来の歯科材料に比較して優れた封鎖性があります。
一方、MTAは大変高価で使用に際し技術的に困難なところが欠点となります。
当医院でも症例によりMTAを使用し良い治療結果を得ています。
2012年11月26日
当院で行っているPMTCは患者さん自身ではケアできない隣接面や歯肉縁下のプラーク、それに硬くなったプラークをラバーチップ、ラバーカップ、フッ化物含有の研磨剤などを使用して除去するプロフェショナルケアです。
フッ化物含有研磨剤を使用するため歯が白くなったり、お口の中がすっきりすしたり、歯面の再石灰化も期待できるため患者さんに大変喜ばれています。
ご自身の徹底したブラッシングでも12時間でプラークが付着しますがPMTCをすると24~30時間と清潔な状態を長く保つことができます。
これは、PMTCをすると歯肉からの浸出液の分泌が増えてプラークの形成が妨げられるためです。
また。PMTCは歯の健康を維持するのに大変有効なことを疫学データーも示しています。
このようにメリットの多いPMTCで清潔で健康なお口をゲットしてください。
2012年11月19日
昨日、東京で開催された専門医セミナーに参加しました。
“根管を探索する”というテーマについて吉岡先生、冨永先生の講演を拝聴することができ、毎日の臨床で役に立つヒントをたくさんいただけたことを感謝します。
歯科用顕微鏡を使用することにより今まで手探り状態だった第4根管(MB2)の探索が可能となり、また、超音波チップの併用により根管の壁面にあるフィンやイスムスの処理も適切に処理することが可能となりましたが根管の解剖学的形態を考慮し施術することで歯内療法の成功率がさらに上がるかと思います。
2012年11月9日
1日に1~1.5リットル程分泌される唾液ですが口の健康だけでなく全身の健康のためにも大切な役割があります。
高齢になると飲み込む機能が低下して誤嚥性肺炎が原因で亡くなる人が増えますが、口腔内をケアして清潔な状態を保つことは肺炎の予防になります。
唾液は、楽しく会話することで顔や口のまわりの筋肉が鍛えられたり舌が動くことで分泌が促進されるようです。
唾液には抗菌作用、再石灰化作用、緩衝作用、粘膜修復作用など重要な役割が
たくさんありますが他にもありそうですね。
2012年11月5日
メタルクラウンとセラミッククラウンの違いはなんでしょうか?
現代は審美性が大変重要視されるため天然歯と同じ色が再現できるセラミッククラウンを使用されることが多いのですが良いことばかりではありません。セラミッククラウンはガラスのコップのようなものです。コップの縁が欠けるようにセラミッククラウンも欠けることがあります。場合によってはセラミックが割れてしまうことさえあります。そのためセラミッククラウンの破折を予防するためには就寝時にセラミッククラウンを保護する必要があります。
メタルクラウンの場合は欠けたり、割れたりすることはありませんが歯とはまったく異なった金属色になってしまいます。
また、歯の硬さと比べてセラミッククラウンは硬いため歯と咬んでいる場合は歯が擦り減ってしまいます。これに対しメタルクラウンでは歯の硬さに近いため歯と同じように減っていきます。
アレルギーについてはセラミックでは問題はありませんがメタルを使用すると含まれている金属によってはアレルギー症状が出ることがあります。