破折のために抜歯と言われたのですが・・・
2020年5月6日
“右上側切歯が土台ごと脱落してしまい、歯根が破折しているので抜歯と言われたが残せないか”という事で来院されました。
初診時の写真とレントゲン写真です。
プローブを挿入してみると唇側が破折のために歯肉縁下6mm程欠損していました。
現状では前医の御診断のように治療の第一選択は抜歯となりますが、”抜歯はしたくない”とのご本人様の強いご希望により保存処置を検討しました。
破折が歯肉縁下深くに達しているため一度抜歯をして破折部が歯肉縁上に出るように再植し、歯牙保存します。しかし、歯槽骨内の歯根が短くなり歯冠歯根長比が逆転してしまうため、犬歯と連結して補強することにしました。
再植のために抜歯してみると破折は歯根の約半分までに達していました。
破折部が歯肉縁上になるように再植しました。
再植後1ヶ月の状態
(黄線が再植前の歯根の位置)
右上犬歯、側切歯の根管治療後、オールセラミックの連結冠にて補綴処置をいたしました。
術後3年のレントゲン写真です。
側切歯の根尖部には骨の添加がみられ、歯根膜の拡大はみられず良好な状態です。
治療内容:再植、歯内療法、補綴処置
治療期間:7ヶ月
治療費:¥750,000
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院