閉鎖根管の経過
2016年1月9日
左下の歯茎から膿が出るとの主訴で来院されました。
口腔内を拝見すると左下第2大臼歯の根元の歯茎から排膿(円内)しています。
レントゲン写真では、第1大臼歯の根尖付近に病巣(点線で囲んだ範囲)があります。
排膿している所と、病巣のある所は異なりますが、排膿の原因は第1大臼歯だと確信し、ご本人にご説明して治療を始めました。
治療開始間もなく歯茎からの排膿はなくなりました。
根尖病巣は主に近心根が原因ではないかと思いますが、根尖付近で根管が閉鎖していて(黄色の円内)、どうしても根尖まで器具を到達させることができません。やむお得ず、十分に根管内を清掃、消毒して根管充填しました。
遠心根は根尖まで器具が到達できましたので、通法通り根管治療を行いました。
治療終了後7ヶ月の状態です。
根尖病巣は近心根と遠心根の間に残るだけとなりました。
更に、2年3ヶ月が経過しました。
根尖病巣はなくなり、治癒したと思われます。
根尖まで器具を到達させることが出来なくても、十分に消毒することにより症状を改善させることができることを経験した症例となりました。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院