2012年10月17日
治療に使われているゴム製の材料によってアレルギー反応を起こすことがあります。
治療時に使用するゴム製の手袋に触れたり、根管治療時に感染防止のため使用するゴム製のシートに触れて治療後に口の周りが発赤したりすることがあります。これはラテックスアレルギーによる症状で、あまり長く続くことはありませんがこのような問題は避けたいと思います。
以前、ゴムで発赤が出たことのある方や、バナナ、アボガド、キウイフルーツ、クリ等の食品に対してアレルギーがある方はお知らせいただくとラテックスアレルギーの発症を避けることができます。
2012年10月3日
コロナルリーケージについて先日の日本歯内療法学会の講演で取り上げられていました。
コロナルリーケージとは根管治療が終了した歯の歯冠側からの再感染をいい再根管治療となる原因のうちで最も多くなっています。
十分な根管治療がされても速やかに支台築造や歯冠修復が行われなかったり、支台築造体や補綴物の適合が悪いと、歯冠側から細菌感染してしまいます。
特に支台築造には注意を払わなければなりません。
治療結果を良好に保つためには当然のことですが、根管治療だけでなく他の治療にも質の高さが必要となります。
2012年10月1日
昨日、台風の影響で天候が悪い中、日本歯内療法学会の中部支部で学術大会が開催されました。
特別講演をされた寺内吉継先生は”根管充填の目的を考える”という演題を熱く語られ、同じく特別講演をされた小林千尋先生は多くの臨床例を使い”歯内療法の予後と根管充填”について講演されました。 お二人の講演から根管治療は細菌感染との戦いであることを再認識させていただき大変有意義な時を過ごさせていただきました。
2012年9月20日
昨日、NHKの朝の番組”あさイチ”で金属アレルギーが取り上げられていました。
ご覧になったかたもいらっしゃるかと思います。当院のブログでも金属アレルギーについて9月11日に取り上げさせて頂きました。
むし歯などで生じた欠損は人工物で修復しなければなりません。修復に使用されるどの材料にも利点、欠点があり、これなら大丈夫というものはないように思います。失われてしまった歯質の大切さを痛感します。
当院では、より良い治療材料を使用していただくために、治療内容に適した材料をご説明のうえ使用しています。
2012年9月14日
アルミ箔や金属のスプーンを噛んでビリッとしたり、いやな感じがしたことはありませんか?
口の中に2種類の金属があると、それらが接触して電流が生じることがありますがこれをガルバニー電流といいます。
口腔内に電流が流れると金属イオンが溶け出しやすくなり金属が腐食していきます。また、電流が流れることで神経の機能に異常をきたし痛みを感じやすい状態にしている可能性があります。
原因不明の頭痛や肩こりがあったらガルバニー電流が原因かも?
2012年9月11日
歯科用金属アレルギーは金属が直接アレルギーを起こすのではなく、金属から出た金属イオンが体内のタンパク質と結びついてアレルゲンとなりアレルギーを引き起こします。また、金属アレルギーは花粉アレルギーのようにすぐに症状が出ることはなく、アレルゲンとなる金属に触れてから遅れて症状が出ます。
歯科では補綴治療の際いろいろな金属が使用されています。その中でニッケル、コバルト、クロムなどはアレルギーを起こしやすいと言われ、チタン、ジルコニウム、金合金は起こしにくく、最もセラミックがアレルギーを起こしにくいと考えられています。
状況に応じて適切な素材を使用したいと思います。
2012年9月6日
可能であれば補綴物の素材は白金加金の使用をおすすめしますが審美的にどうもという方に
パーシャル・クラウンはどうでしょうか。
通常、クラウンは歯牙の全体を削ってしまいますが、パーシャル・クラウンは頬側などの健全な歯質を残して形成します。形成は難しくなりますが歯牙の削除量を少なくすることができるメリットがあります。
上顎の歯では頬側の歯質を残すため、審美的に満足できるのではないでしょうか。
一例をご覧ください。
上顎の小臼歯です。犬歯の隣の歯をパーシャル・クラウンで治療しました。
スライドでは切端部に金属が少し見えますが、金属にあたる光の反射具合を調整することにより日常では審美的に問題はなく、健康な自分の歯を残すことができたことを喜んでいただけました。
2012年9月5日
私は白金加金が最善ではないかと思います。
補綴物は歯牙に適合していなければなりません。
誤差ゼロの補綴物を製作することは現代の技術ではできません。
しかし、白金加金を使用した場合は誤差を20~30ミクロンほどにおさえる高い精度で製作が可能だと思います。
また、セラミックはガラスのコップのように一部分がかけたり、割れたりすることがあります。
でも白金加金ではかけたり割れたりはせず、天然歯のように摩耗していきます。
噛み合わせについてはどうでしょうか。
白金加金では微調整が可能で調整後の研磨も十分にできますが、セラッミクではなかなかそうはいきません。
勿論、前歯や小臼歯など審美的に問題となる部位は使用できませんが、
審美的にあまり問題となりにくい大臼歯には積極的に使用したいと思います。
2012年7月25日
よく補綴物の寿命について質問されることがあります。
一度きちんと治療すれば一生涯使うことが可能なのでしょうか?
日本補綴歯科学会のHPには、
“接着補綴装置の平均寿命は5.7 年であった。”
“ブリッジ(金属)の耐用年数は. 5年ぐらいで再治療が必要と考える”
などの記載があります。
口腔内は体のなかで最も細菌が繁殖し、むし歯や歯周病になりやすい環境にあり、さらに食べ物による温度変化や酸にも補綴物はさらされています。
また、補綴物は咀嚼により摩耗していきます。
このような環境にある補綴物が一生使えるとは考えにくいのではないでしょうか。