2017年12月31日
こどもの歯茎に、ニキビのようなできもの、フィステルができることがあります。
口内炎と間違える人もいますが、フィステルは口内炎のように中央が凹んでいることはなく、逆に膨らんでいます。
見た目はまさに膿んでしまったニキビのようなフィステルには、実際に膿が詰まっています。フィステルは、歯の根の先にたまった膿が押し出されて、袋状に膨らんでしまったものなのです。
フィステルは、膿が溢れて歯茎の表面を膨らませているだけですので、触って痛いわけではなく、ニキビのような芯があるわけでもありません。
しかし、フィステルはニキビなどより、もっと重大な症状ですので、すぐに対処しなければいけません。
フィステルは、「歯の根の先にたまった膿が押し出されて、袋状に膨らんでしまったもの」と説明しましたが、歯の根の先に膿がたまった状態というのは、虫歯や歯周病の中でも重傷な状態です。
これらの膿は、虫歯や歯周病によって歯が浸食され、歯の根元にまで細菌が到達して増殖した結果、たまってしまったものです。(口を殴打するなどの外傷でも発生しますが、同様に歯の根にまで傷が到達して細菌が感染しています)
つまり、フィステルができるということは、虫歯や歯周病などによって、歯の根や歯を支える骨が冒されてしまっているということを表しています。
そのため、フィステルは口内炎と違って、放置していても治ることはなく、酷くなるばかりなのです。
もし、こどもの歯茎にニキビのようなできものができていたら、すぐに歯科医に相談してください。
2017年12月28日
インプラント治療は、一般的には自由診療になるため、保険が適用されません。そのため、費用は数十万円という高額になります。
そんなインプラント治療を受ける場合、歯科医をしっかりと選びたいと考えるのが普通でしょう。
ここでは、インプラント治療を受けるに当たって、どういった視点で歯科医を選ぶべきか、いくつかのポイントを紹介します。
1. インターネットの口コミで良い評判の医師
多くの人がピンとくる選び方のポイントだと思います。インターネット上の口コミサイトや掲示板、FAQサイトなどで、数多くの方が質問、回答していますので、それらを参考にするのがまず第一です。
自分の必要とする治療の技術や、先生の人柄、混み具合、費用感など、インターネットには様々な情報があります。
ただし、インターネットの情報が玉石混合ですので、安易に信じないように気をつけなければいけません。
2. 治療の前にしっかりと診断して、しっかりと説明してくれる
そもそもインプラント治療が必要なのかどうかも含めて、しっかりと診断して、きちんと説明してくれる医師でなければ、後悔するかもしれません。
特にインプラントは、ただ治療して終わりではなく、その後のメンテナンスも続けなければいけません。
そのため、きちんと理由や原因、必要性などをきちんと納得がいくように説明してくれる医師でなければ、続けることが難しくなるでしょう。
3. 事前に、費用をすべて開示してくれる
冒頭に書いたように、インプラント治療はとても高額です。
その金額を、初期の検査費用から、メンテナンスの費用まですべて、正直に開示してくれる医師でなければ、信用することはできないでしょう。
4. 歯科医院の衛生状態や設備
インプラント治療は、顎の骨に直接異物を埋め込む治療です。つまり、細菌感染のリスクが比較的高く、それ故にメンテナンスが重要になっているのです。
そのため、歯科医院の衛生状態はとても重要で、後々の歯周病のリスクにも大きく直結しています。
また、高度な治療になりますので、設備が不足しているのではいざというときに対応できない可能性がありますので、避けた方が無難でしょう。
インプラント治療は、うまくいけば健康な歯に影響を与えない理想的な治療法です。
以上のようなポイントを踏まえて、納得のいく歯科医を選ぶようにしましょう。
2017年12月25日
失った歯の代わりに人工の歯根を入れて、元の歯と同じ機能を取り戻す治療が、インプラントです。
しかし、歯根にチタン製の柱を埋め込みますので、その隙間などから細菌が侵入することで歯周病になるリスクがあり、メンテナンスが不可欠です。
そのメンテナンスについては、インプラント治療を行った歯科医で行うのが一般的でしょう。特に、インプラントは費用のかかる治療ですので、しっかりと歯科医を吟味して治療してもらうことが多いでしょうから、なおさらです。
しかし、仕事の都合が歯科医の都合と合わない場合や、引っ越しなどで、インプラント治療を受けた歯科医に通えなくなってしまうことも少なくありません。
そんなときは、インプラント治療を行ってもらった歯科医以外に、メンテナンスしてもらうことはできるのでしょうか?
答えはイエスです。
メンテナンスであれば、ほぼどんな歯科医でも問題ないでしょう。
インプラントのメンテナンスの基本は、日々の歯磨きです。それに加えて、たまってしまった歯石をとるなど、特にインプラントだからといった固有のものはほとんどありません。
そのため、インプラント治療を行った歯科医以外であっても、問題なくメンテナンスを受けることはできます。
もちろん、紹介状などがあれば、よりしっかりとしたメンテナンスを受けることができます。
ただし、もしインプラントの調子が悪く、治療を行う場合は、同様の気持ちで別の歯科医に依頼しても、簡単には引き受けてくれないかもしれません。
治療となると、埋め込んでいるインプラントの正確な情報がなければ、きちんとした診断ができず、間違った治療をしてしまうリスクがあります。
そのため、インプラントの治療を別の歯科医に依頼するのであれば、紹介状をきちんともらってから診療を受けるようにしなければいけません。
2017年12月22日
歯医者さんで歯のクリーニングを行ってもらう、「PMTC」をご存じでしょうか?
「PMTC」というのは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、要はプロの歯科医による歯のクリーニングのことです。
保険適用外ですので、少し高額になりますが、歯科医師や歯科助手が専用の装置を使ってクリーニングをしてくれますので、非常にすっきりとして虫歯予防に効果的です。
特に、定期的に歯石を取ってもらっているような人であれば、歯石の除去もPMTCの中に含まれていますので、一度相談してみるのも良いかもしれません。
そんなPMTCの手順は以下を基本としています。
1. 歯科医師が口腔内の診察をします
2. スケーラーなどで歯石の除去を行います
3. 専用の器具(ラバーチップ、ブラシ、カップなど)を使って、歯の表面を清掃し、プラークが付かないように研磨します
4. 歯周ポケット内を洗浄します
5. フッ素を塗布します。
PMTCによって、歯石や歯垢の除去はもちろん、歯の表面を研磨してフッ素を塗布しますので、口の中がさっぱりとして、歯石や歯垢が溜まりにくくなります。
なお、この手順は、あくまでも基本です。そのため、患者様の状況に合わせて、プラスアルファのクリーニングを行う歯科医もいます。
気になる方は、かかりつけの歯科医に相談してみましょう。
2017年12月19日
奥歯の奥に生えてくる「親知らず」は、「生える方向が斜めや横になっている」、「頬や他の歯に当たる」、「歯茎を盛り上げて違和感や痛みがある」など、生えてくるだけで問題が出てくることもあります。
また、あごの奥に生えてくる歯で、生えてくる時期の個人差が大きいため、歯磨きをうまくできずに、虫歯になるリスクが高い歯でもあります。
そのため、何らかの問題(違和感も含む)がある場合は、抜歯を勧められることが多いでしょう。
ただし、「親知らず」の抜歯は、一般歯科では良くないという話も少なくありません。
虫歯の治療中などに親知らずが見つかった場合に、そのまま一般歯科で抜くのではなく、口腔外科を紹介されることも多いでしょう。
しかし、実際のところは、ほとんどの場合、「親知らず」の抜歯を一般歯科で行っても、問題ありません。
もちろん、冒頭で書いたように斜めに生えていたり、他の歯に当たっていたりするような場合は、難しい治療になるため、専門である口腔外科で処置した方が良いでしょう。そして、そういった場合は、一般歯科の歯科医は口腔外科での抜歯を勧めるものです。
日頃からの信頼関係もありますが、かかりつけの歯科医にお任せいただければ、ほとんどの場合はスムーズに処置してもらえます。
2017年12月16日
インプラントは、ブリッジや入れ歯のように、残った歯に負担をかけたり代替えをさせたりするものではなく、顎の骨に柱を立てて人工の歯を埋め込む治療です。
そのため、失った歯と同じように噛むことができ、見た目も美しい治療として人気があります。
しかし、インプラントは柱としてボルトのようなものを顎の骨に挿して固定していることもあり、メンテナンスを怠ると重篤な状態になりやすいという欠点があります。
そんなメンテナンス不足で陥りやすい症状の1つが、インプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎は、本物の歯でも起こる歯周病と同様なもので、歯周病菌がインプラントの周囲で繁殖して、歯茎に炎症を起こすものです。
しかし、インプラントの場合、本物の歯にある歯根を守る膜がないため、細菌が容易に深いところまで到達しやすくなっています。
そのため、インプラントを入れた場合は、本物の歯以上に歯磨きなどのメンテナンスを行わなければいけません。
インプラント歯周炎も、通常の歯周病と同じく、きちんとした歯磨きで防ぐことができます。そのため、定期的な検診に加えて、日々の歯磨きが重要になってくるのです。
2017年12月13日
歯の根にある神経が入っている根管を洗浄する根管治療は、ときに痛みを伴う場合があります。
もちろん、歯科医は細心の注意を払って治療に当たりますが、残念ながら、技術力が未熟だったり、手元が狂ったりすることもあります。
特に、器具が骨に直接当たると、足の先まで響くような激痛が走ることもあります。
そういったことが起こらないように、歯科医師は日々技術を磨き、マイクロスコープなどの装置を使うこともあります。
また、根管治療の後に、かえって痛みが酷くなることもあります。
もし、根管治療の後に痛みが酷くなっていくようであれば、すぐに担当医へ相談しましょう。
根管治療での洗浄が行き届いていないのか、治療中に新たに感染してしまった可能性があります。
また、酷いときには、削った歯のカスなどを根の奥に押し込んでしまって、炎症を起こしてしまっていることもあるのです。
そのため、上述したマイクロスコープなどで見逃しを防ぎ、ラバーダムという治療する歯だけを露出させて唾液などが入るのを防ぐ器具を使うことで、リスクを最低限にする治療を行っている歯科医も多くあります。
何にしろ、多くの歯科医師が根管治療を行っていますので、技術力も設備も治療方針も様々です。その中で、うまくいっているかどうかの判断は、患者様の感覚に依存するところも大きくなっています。
ぜひ、痛みとまではいかない違和感だけであったとしても、歯科医へ一言お伝えいただければ、より丁寧な対応をしていただけるのではないかと思います。
2017年12月9日
小児歯科で行われる独特の矯正治療に、「床矯正」というものがあります。
これは「顎態調和法」とも呼ばれる矯正治療で、専用器具を装着して顎を広げるものです。
顎そのものを広げますので、永久歯が生えてくるためのスペースが事前に確保され、将来予測される矯正や抜歯を避けることができます。
成人してからの矯正は時間がかかりますので、それを回避することで、トータルでコストパフォーマンスのよい治療とも言えるでしょう。
また、「床矯正」は、骨が軟らかく、著しい成長を続ける子供の頃だからこそ可能な治療です。そのため、歯科医師から勧められたら、ぜひ実施して欲しい治療の1つと言えるかもしれません。
具体的な治療方法は、専用のマウスピースを装着して生活するだけです。ただし、このマウスピースは定期的に幅を調整し、それによって顎が広がっていくのです。
また、このマウスピースは取り外し可能なので、食事の時や歯磨きの時に外してしまうことができますので、お子様への負担や歯磨きでの磨き残しも少なく、成人矯正の矯正装置と比べてとても楽になっています。
マウスピースの装着期間も永久歯が生え揃うまでですので半年程度で終わることもあり、これもまた成人矯正に比べて負担が軽くなる要因の1つです。
(ただし、装着期間は、治療開始の時期やお子様の歯並び、顎の状態によりますので、個人差が大きくなっていますので、歯科医師に確認が必要です)
床矯正は、お子様が将来的に矯正を要するような傾向があるのであれば、ぜひ検討していただきたい治療と言えます。
2017年12月7日
「口内環境を整える」というと、うがいと歯磨きが思い浮かぶでしょう。
もちろん、この2つはとても重要です。
うがいをすることで、口内に入ってきている雑菌や汚れをきれいに洗い流すことができます。
歯磨きをすれば、歯と歯の間や歯と歯茎の間に挟まった食べかすや、歯周病菌の塊、歯垢を取って、きれいにすることができます。
特に、歯磨きは、毎日正しく行うことで歯周病を予防することができますので、極めて重要です。
しかし、実際に口内環境を整えているのは、うがいでも歯磨きでもありません。
本当に口内環境を整えているのは、唾液です。
食事中、口内では外部から雑菌が大量に入ってきますが、唾液が殺菌消毒して口内をきれいにしてくれるのです。
そのため、じつは食後すぐの口内は非常に清潔な環境になっているのです。
ただし、残念ながら、食べかすが残っていますので、それをえさに細菌が増殖し、どんどん汚れてしまいます。
食後の歯磨きが推奨されるのは、そのためです。(そういった理由ですので、食後の歯磨きは、歯を磨くのではなく、歯と歯の隙間や歯と歯茎の間に挟まっている食べかすを取ることが大事です)
以上のように、口内環境を整えるのに重要なのは、唾液です。そのため、もし口が渇くなどの症状があれば、口内環境はあまり良くない状況になりますので、こまめなうがいや歯磨きをしなければいけません。そうした上で、口が渇く原因を突き止め、改善していきましょう。
2017年12月4日
子供は虫歯になりやすいものです。
乳歯は歯を守るエナメル質が薄く、歯に占める神経の割合が大きいため、虫歯がすぐに進行してしまいます。
また、親が歯磨きをしてやったとしても、どうしても磨き残しができてしまいやすいのも、大きな原因の1つです。
そのため、親が子供の歯を守ってあげることが重要です。
だからといって、甘いものを一切禁止にしたところで、普段の食事の食べかすが残っていると意味がありません。甘いものを禁止にするのではなく、きちんとした歯磨きをしてあげる方が先決です。
そのため、子供の歯を守るためには、3ヶ月検診などをはじめ、小児歯科にも協力してもらうのが、効果的なのです。
特に、5歳から6歳になると生えてくる、「6歳臼歯」と呼ばれる奥歯を守るためにも、小児歯科の協力が必要でしょう。
「6歳臼歯」は歯並びの基本となる大きな歯ですが、見えにくい場所にあり形も複雑なため、虫歯になる確率が非常に高い歯なのです。
この「6歳臼歯」を守るためには、毎日のこまめな歯ブラシが不可欠です。その方法を教えてもらうためにも、小児歯科での検診をしっかりと行うようにしましょう。
いまでは、「6歳臼歯」の溝をあらかじめ塞いでしまって、汚れが溜まりにくくする治療もあります。そのため、あまりにも磨き残しが多い場合は、歯科医に相談してみるのも、良い選択だと思います。