2015年4月30日
前回はホワイトニングでなぜ歯が白くなるか、ということについてお話ししました。たしかにホワイトニングで歯を白くすることができますが、その効果は残念ながら永久ではなく、日々の食事などにより白さはだんだん失われてしまいます。それを色の「後戻り」と呼んだりしますが、後戻りしやすい人の傾向を挙げてみます。
1.タバコを吸う
タバコを吸うとヤニがこびりつくため、吸う本数が多いほど着色しやすくなります。
2.コーヒー、お茶、赤ワインなどをよく口にする
これらのような色の濃い飲み物やタンニンを含むもの、またカレーやケチャップなどの色の濃い食べ物をよく口にする人は色素が沈着しやすくなります。
3.歯並びが悪い人
歯ブラシが十分に届かない部分が着色しやすくなります。
4.歯石が溜まりやすい人
歯石が溜まりやすい人は歯の表面がざらついてきやすく、着色もしやすくなります。
5.口呼吸をしている人・ドライマウスの人
口呼吸をしていたりドライマウスで唾液が少なくなっている状態では、食べたものの色素が唾液で薄まりにくく、洗い流されにくくなるため、着色しやすくなります。
6.歯磨き粉を使わない人
歯磨き粉を使わない、また、使っていても研磨剤を含まない液体歯磨き剤などを使用している場合、着色しやすくなります。
歯の着色はこのように食習慣や生活習慣とも大きく関わっているのですね。歯科医院で定期的にクリーニングを行うことで、歯の健康を保てると同時に歯の着色もきれいに落とすことができます。歯に着色がつきやすいという方は、ぜひ定期的にクリーニングを受けてみてはいかがでしょうか。
一壺歯科医院
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2015年4月29日
近年、ホワイトニングがますます人気を高めてきています。最近では歯科医院だけでなく、エステサロンでのホワイトニングやセルフホワイトニング、というものも出てきているようです。
どれも歯を白くする効果があるようですが、通常、歯科で使用する薬剤は医薬品であり、他で使用するものとは違う物で、その効果にも大きな違いがあります。
歯科医院で使用するホワイトニング剤は主に、歯科医院で行うオフィスホワイトニングに関しては過酸化水素、歯科医師の管理のもとで家庭で行うホームホワイトニングは過酸化尿素を用いることがほとんどです。
これらの薬剤が歯を白くするメカニズムは次の通りです。
1.エナメル質の色素を無色透明にする
過酸化水素や過酸化尿素は酸素と水に分解されますが、この時に発生する酸素が歯の表層のエナメル質の中の色素を無色透明にします。
2.エナメル質の構造を変化させるマスキング効果
過酸化水素や過酸化尿素はエナメル質の表面の構造をすりガラスのように変化させ、内部にある黄色っぽい象牙質の色を見えにくくします。このマスキング効果により、象牙質の色が見えにくくなるため、歯が白っぽく見えるようになります。
このようにして、歯を白く見せることが可能となるわけですが、毎日の食事によって、また白さは失われてきます。そのため、白さを維持するためには定期的なメインテナンスが必要となってきます。
一壺歯科医院
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2015年4月28日
歯ぐきが黒ずむ原因としては次のようなものが考えられます。
1.メラニン色素が多い
肌の色が人それぞれ違うように、歯ぐきの色も人それぞれです。生まれつきメラニン色素が多いと、歯ぐきが茶色、または黒っぽくなります。
2.喫煙によるもの
喫煙することによって、ニコチンの刺激によりメラニン色素が増加します。また、タバコから放出される一酸化炭素によって、歯ぐきが酸素不足になり血流が悪くなることで、歯ぐきの色が黒っぽくなります。喫煙者はもちろん、親が喫煙することにより子供の歯ぐきの色にメラニン色素が沈着する危険性が非常に高くなります。
3.歯周病によるもの
歯周病が進むと、うっ血により歯ぐきの内部から黒っぽくなってきます。進行してくればくるほど赤紫がかった歯ぐきの色になります。
4.差し歯の金属の溶出によるもの
歯が虫歯などで大きく破壊されて土台をたてて歯をかぶせる場合、主に土台に使われる金属がイオンとなって溶け出し、歯ぐきに色素沈着を起こしてくることがあります。かぶせ物の場合は、金属が使われていても黒ずみの原因となりにくいものを使用しています。健康自体には問題はありませんが、特に前歯の場合は目立つため、土台の材質を着色を起こさないものに変えることで予防することができます。
原因によって、歯ぐきの黒ずみの改善方法が異なってきますので、詳しくはお尋ねください。
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2015年4月23日
歯並びやかみ合わせが前回ご紹介したような原因で壊れてくることにより、体のあちこちの部分の不調などの悪影響を起こしてきます。
1.顎関節症
かみ合わせが悪くなると、顎の関節や筋肉に異常な力がかかるようになり、顎の痛みや口を開け閉めする際の雑音や、口が開きづらくなったりすることがあります。
2.肩こり・首の痛み・頭痛・腰痛
かみ合わせが悪くなると、かむ筋肉がバランス良く動かなくなります。それとともに、かむ筋肉とつながるあらゆる筋肉の調和も崩れ、痛みなどの不調となって現れてきます。
3.歯ぎしりやくいしばり
かみ合わせが悪いと、あごの筋肉のバランスが悪くなり、歯ぎしりやくいしばりなどが起こりやすくなることが分かっています。
4.虫歯・歯周病
歯並びが悪くなると、歯ブラシで汚れを取り切ることが難しくなり、虫歯や歯周病の原因となります。また、よくかめなくなることにより、唾液が十分に分泌されず、唾液によるお口の洗浄作用が落ちることも、それらの病気を起こす原因となります。
5.肥満
かみづらくなることにより、よくかまずに飲み込むことになって早食いの原因となります。早食いは肥満の原因の一つとして知られています。
このように、歯並びやかみ合わせは体の健康とも大きく関わっています。定期的な検診でかみ合わせもチェックし、異変を見つけたら早めに対処していけるようにしましょう。
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2015年4月22日
歯は乳歯から永久歯に生え替わり、一旦並び終わった後、それほど変わらないように思われているかもしれませんが、さまざまな理由で歯並びやかみ合わせが変化してくることがあります。
歯並びやかみ合わせを変化させうる原因となるものとしては以下のようなものが挙げられます。
1.虫歯や詰め物が取れたところを放っておく
虫歯で穴が空いた状態を放置していたり、詰め物やかぶせものが取れて放置していると、隣や向かいの歯が動いてきてしまい、かみ合わせが壊れてしまいます。
2.歯が抜けたところを放っておく
歯がない部分に歯を補う治療を施さないと周囲の歯が倒れたり動いてきたりします。
3.歯周病
歯周病が進行して歯がぐらついてくると、歯がすきっ歯になってきたり、上の前歯が出っ歯になってきたりします。
4.親知らずの影響
親知らず生えようとする力が手前の歯にかかると、全体の歯並びがずれてくることがあります。
5.歯ぎしり
習慣的に夜間の歯ぎしりなどがあると、歯がすり減ってかみ合わせが低くなってきます。
6.悪い癖
唇を噛んだり爪を噛む癖、また、舌で歯を強く押すなどの癖があると、だんだんと歯が動いてしまいます。
いかがでしたか?思いあたるものはありませんでしたか?
歯並びやかみ合わせが崩れてくることにより、さまざまな悪影響が出てきます。
次回はその悪影響についてお話をしていきます。
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2015年4月21日
「痛いところがない=虫歯がない」と思っている人がいるかもしれません。虫歯はひどくならないと痛みを出してこないため、よっぽど見えやすい場所を除いては自分で虫歯を見つけることはまず不可能です。つまり、必ずしも「痛い=悪いところがある」ではなく、痛くなくても悪くなっているところがある可能性があります。
虫歯に関して言いますと、痛みのない軽い虫歯のうちに治すのと痛みが出てから治すのとでは大きな違いが出てきます。具体的な例をあげてみます。
1.治療の痛さ
一般的に、歯の治療はもともとの痛みが強いほど、治療も痛い思いをしやすいと言われます。まず、軽い虫歯の場合は麻酔もなしに治療をすることも可能ですが、大きな虫歯の場合、麻酔が必要となります。その場合でも麻酔がしっかり効けば痛みも感じなくなるでしょうが、多くの場合、強い痛みが出ている時は麻酔自体が効きづらくなる傾向があります。
2.歯の寿命
虫歯を痛くなってから治療する場合、中の神経を取らなければならない可能性が高くなります。神経を取ると、歯がもろくなったり、根の奥まで感染を起こしやすくなったりなど、歯を長く持たせる上でデメリットとなります。また、歯を長持ちさせるためには、なるべく削らないようにすることが重要となります。その上でも虫歯が大きくなってから治療するのは不利になります。
3.治療回数
軽い虫歯なら1、2回で終わるところが、虫歯がひどく神経の治療になったりすれば何度も通わなければならなくなります。その分当然費用もかかります。
以上のようなことから、虫歯の治療はなるべく早期発見、早期治療をすることが大事となってきます。ぜひ、検診を受けて歯を大事にして行きましょう!
当院では3ヶ月ごとの検診をお勧めしています。
一壺歯科医院
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2015年4月16日
前回は詰め物・かぶせ物が取れた場合の歯医者に行くまでの対処法についてお話ししましたが、今回は歯医者での治療法についてお話ししていきます。
前々回お話しした原因別に治療法を挙げていきます。
1.セメントの劣化の場合
虫歯もなく、歯で欠けている部分もなくてピッタリ適合するようであればつけ直しすることができます。しかし、セメントの劣化は一般的には相当な年月が経たないと起こりませんので、詰め物やかぶせ物の劣化も当然起こっていると考えられ、状態を見て、ということになるでしょう。
2.虫歯が原因の場合
虫歯をしっかりと取り除いて作り直しとなります。
3.かみ合わせに問題がある場合
かみ合わせが強く当たっている場合には調整をしてつけ直しをします。しかし、食いしばりや歯ぎしりなどを行っている場合には、日中であれば意識して止めるようにする、また夜間寝ている間に行っている場合にはマウスピースを入れて歯を異常な力から保護しなければまた外れてしまいます。
4.維持力不足の場合
この場合はつけ直してもすぐに取れてしまうでしょう。削る量を増やして引っ掛かりをつけるようにしなければなりません。
5.適合不良の場合
かたつきがあったり、隙間がある、ということですので作り直しをしなければなりません。
6.歯の破折の場合
歯が縦に真っ二つに割れている場合は通常抜歯となります。割れている位置によっては抜かずに治療できる場合もあります。
このように、詰め物やかぶせ物が外れてしまう場合には、セメントの接着力が弱くなっただけでなく、その背後に何かしらの問題がある場合がほとんどです。原因を突き止めて、それにあった治療法を行う必要があります。
当院では患者様一人一人に時間をかけた丁寧な治療を行っております。
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2015年4月15日
前回は詰め物やかぶせ物が取れてしまった場合の原因についてお話ししました。今回はもし急に外れてしまった場合、歯医者に行くまでの対処法についてお話ししていきます。
■取れてしまったら・・
取れてしまったものが残っている場合には、すぐに歯科医院に連絡をし、できるだけ早めにみてもらいましょう。つけ直しができるかどうかは、歯科医師が状態を確認してから、ということになりますが、日にちが開けば開くほど歯は移動してしまうので、つけ直しをできる可能性が低くなります。
万が一飲んでしまった可能性がある場合、咳き込んだり、呼吸に異常がある場合には気管支の方へ落ちてしまった可能性があるので、すぐに医師に連絡をしましょう。そのような症状がなければいずれ便と一緒に排出されることがほとんですが、大きさや形などにもよりますので、心配な場合は医者にかかりましょう。
■歯科医院にかかるまでに注意すること
1.なくさない・捨てない
小さな詰め物などはうっかりティッシュなどに包んでしまって捨ててしまうことがあります。また、明らかに付け直せないと思えるような古い詰め物などを捨ててしまう人がいますが、取れた詰め物の状態からいろんな情報が汲み取れる場合がありますので、どんな状態であっても歯科医院に持っていきましょう。
2.接着剤でつけない
時々自分で接着剤でくっつけてしまう人がいます。これをやってしまうと、内部の状態が見えなくなりますし、結局削り取らなければならなくなります。つまり、せっかく状態のいいものでも使えなくなってしまいます。
3.歯にはめ込んでおかない
接着剤の付いていない物をはめ込んでおいても外れやすく、誤飲や誤嚥の原因となり危険です。
4.変形させないように注意
詰め物、かぶせ物には薄い部分があります。ポケットなどに入れておくと強い力がかかった際に変形することがありますので、歯科医院に持って行く際は箱などに入れて変形させないようにしましょう。
5.取れた側でかまない
取れた側で食事をすると、残った歯の部分がかけたり、痛みを出すことがありますので反対側で食事をとるようにしましょう。
もし詰め物やかぶせ物が外れた際はなるべく早めに診させていただきますので、すぐにご連絡をください。
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2015年4月14日
詰め物やかぶせ物というのはいつか外れる可能性があります。外れてしまった場合、多くの人は「また付け直せる」と思いがちですが、残念ながらくっつけ直せないことがほとんどです。詰め物やかぶせ物が外れてしまう理由としては以下のことが考えられます。
1.セメントの劣化
セメントとは詰め物やかぶせ物をくっつける接着剤のことです。古くなってくると劣化して取れることがあります。
2.虫歯
よくあるパターンです。歯との境目から虫歯ができてしまうといずれ外れてしまいやすくなります。
3.かみ合わせ
かみ合わせの負担など、歯に強い力がかかることによって外れやすくなります。例えば、夜間の歯ぎしりや食いしばり、入れ歯の金具がかかっていて常に力がかかっている、歯の本数が少なくなって残っている歯にかみ合わせの力が集中している、などが挙げられます。
4.維持力不足
なるべく歯の質を残そうと、削る量を少なくしてしまった場合などによくありますが、出来上がった詰め物やかぶせ物が、歯に対して十分に引っかかるところがないと、接着剤をしっかりつけても早い段階で脱落してしまいます。
5.適合不良
型とりをした時などに材料が変形してしまうと、ぴったり合っていない詰め物ができることがあります。それを無理に調整して入れると、のちに取れやすくなる原因となります。
6.歯の破折
差し歯でメタルコア(金属の土台)が入っているケースでよく見られるパターンです。特に残っている歯の部分が薄いと、土台が歯根に対しくさびの働きをしてしまい、歯根が割れることがあり、それにより差し歯が取れてしまいます。
次回は詰め物・かぶせ物が取れた場合の歯医者に行くまでの対処法についてお話ししていきます。
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2015年4月9日
歯が欠けたり折れたりすることは当然ながら突然起こります。
歯の折れる範囲によって対処法が変わってきます。折れる範囲によって行われる治療の例を挙げてみます。
1.歯がエナメル質の範囲で欠けた
歯がエナメル質の範囲でほんの少し欠けただけの場合は、尖った部分を丸めて舌を傷つけないようにするだけで良い場合があります。仮に、そこに詰め物をしたとしても詰める範囲が非常に小さいため、のちに外れてくる可能性が高いでしょう。
2.歯が象牙質の範囲で欠けている
エナメル質の内部の象牙質にまで及んでいる場合には、レジンと呼ばれる詰め物で修復する必要があります。何よりも、放置しておくとしみたりするでしょうし、象牙質は虫歯に対する抵抗性が弱く、露出していると虫歯になりやすいためです。
3.歯が大きく欠けて神経が出ている
この場合は、神経がすでにばい菌に感染していますので、神経を取らなければなりません。神経の治療が終わったら、欠けている範囲に応じて詰め物やかぶせ物の処置を行います。
4.神経のない歯が折れてしまった
神経が入っていない歯は衝撃に対して非常に弱く、普通に食事をしているだけで欠けてしまうことがあります。欠けてしまった場合は、レントゲン上で明らかな感染の所見がなければ、詰め物やかぶせ物の処置を行います。感染が疑われる場合には根の治療を行うことになります。
5.歯の折れている範囲が歯根まで達している
根の部分にまで破折が及んでいる場合には、折れている範囲によって、歯が残せる場合と残せない場合があります。残す場合は外科処置を行ったり、接着剤でくっつけるなどの方法があります。
いずれにしても、ケースバイケースで対処法が異なってきます。もし歯が欠けた場合には早めの対処が必要です。すぐにご連絡をください。
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