2017年3月8日
組織再生誘導法(GTR法)
これまで高度な歯周炎においては、病巣部の歯肉を切るという、大きな意味での切除療法を行うことによって良好な結果を得てきました。しかしながら、このような切除療法では、ポケットが再発しやすいという問題がありました。さらに治療後、歯肉が下がり歯根が見えてしまう場合があるなどの審美的な問題からも、どのようにすればよりよい歯周組織の再生ができるかが研究され、組織再生誘導法が開発されました。
術式は、フラット手術に準じます。スケーリング・ルートプレーニング後に、上皮組織の侵入を防ぐために、生体への親和性の高い特殊な遮蔽膜を骨欠損部に設置し、歯肉を縫い合わせます。
膜には吸収性材料と非吸収性材料があり、吸収性の膜は手術後自然に溶けるので除去する必要はなく、非吸収性の膜を使用した場合には、およそ6週間後ぐらいで取り出すための処置が必要になりますが、2回目の手術時に組織の再生を確認できるといった利点もあります。
2017年3月6日
歯肉切除術
歯肉切除術は、歯周炎や歯周炎による歯周ポケットが、歯周基本治療後にも残っている場合に適応になります。また、降圧薬、免疫抑制薬、てんかんの薬などを服用している場合で、十分なプラーク・コントロールができていないと、歯肉が線維性に肥大してくることがあります。そのような場合も歯肉切除術が適応となることがあります。
術式は、まず特殊なピンセットで歯肉の外側にポケットの底の位置を出血させて印をつけ、つぎに出血点の数ミリ下方(根尖側)からポケットの底に向け、メスで歯肉を切除していきます。残っている歯石については、スケーリング・ルートプレーニングを行い、すべて除去します。術後は約1週間、歯周パックを行います。
フラップ手術
フラップ手術は、歯肉剥離掻爬手術ともいいます。フラップ手術は深い歯周ポケットに対して行われ、歯槽骨に形態異常が認められる場合や歯根の分岐部位に起こった病変など、器具の到達が難しい場合にも行われます。多くは、中等度以上の進行した歯周炎の治療として行われます。
まずメスで切開し、つぎに歯肉を剥離します。その後、感染した歯肉をしっかりと取り除き、スケーリング・ルートプレーニングを行い、最後に縫合、およそ一週間後に抜糸します。
2017年3月3日
動揺歯の固定
動揺の著しい歯に対して、咬合の安定を図るために数歯を連結することを固定といいます。固定によって歯周組織への負担を軽減し、歯槽骨の吸収破壊を防止するばかりでなく、積極的に歯槽骨の再生を促し、歯周組織の回復を図ります。
固定法には、治療前へ治療中に一時的に歯を連結固定させる「暫間固定法」と、治療後にも歯が単独では十分にものを噛むことができないなどのために、歯周組織の健康維持に不安が残る場合、外すことを前提とせずに行う「永久固定法」があります。
歯周ポケット掻爬術
歯周ポケット掻爬術は、通常、比較的浅い歯周ポケットに対して行われます。また、高度な歯周炎をもつ、ほかの外科処置を必要としている患者さんに対し、歯肉の炎症を消失させる目的で行うこともあります。
術式は、まずスケーリング・ルートプレーニングを行い、つぎにポケットの内側の感染した歯肉の外側を指で押さえながら歯肉を掻爬します。術後に歯と歯肉の適合が不十分な場合は、縫合や歯周パック(粘土状の包帯)を行うこともあります。
2017年3月1日
口腔清掃指導
口腔清掃指導は、専門家(歯科医師、歯科衛生士)から正しい口腔清掃を習得することによってプラークの形成を抑制(プラーク・コントロール)することが目的であり、歯周治療を成功させるうえで重要な位置を占めています。
スケーリング・ルートプレーニング
スケーリングとは、歯面に付着している歯石と付着しているプラークを取り除くことであり、ルートプレーニングは、歯根表面の汚染されて軟化したセメント質を除去し、固く滑沢できれいな根面にすることをいいます。
スケーリング・ルートプレーニングは、歯周基本治療として口腔清掃指導後に行われ、さらに歯周外科治療時やメンテナンス時にも行われます。