2016年10月7日
初めて歯科を訪れる患者さんは、基本的に歯や歯肉の痛み、歯肉からの出血、あるいは歯が欠けた、抜けた、グラグラするなどの症状を訴えて受診されます。しかし、実際は本人が訴えている症状以外にも、たくさんの問題を抱えているケースが多いものです。
初診では、まずは必要に応じて投薬などの応急処置を行うとともに、口腔の内外を検査し、歯周病の進行度の評価、虫歯や他の疾患の有無などを調べます。このとき、歯科医はもちろん患者さんが訴える症状をメインに診察するのですが、それらの症状以外にも問題がないか、また歯周病やむし歯のリスクなどをできるだけくわしく診ようとする医者こそが、より良い歯科医といえます。
歯周病と診断されると、具体的な治療方針が立てられます。ただ、近年は歯科医療が大変進歩し、治療法の選択肢も増えています。例えば、抜歯後の処置法や人工歯などには、保険の利くものと利かないものなどいろいろな種類があり、どの治療法にもメリット・デメリットがあります。
そこで、治療に係る費用や時間のほか、治療にともなう痛みの軽減など患者さんの希望も考慮しながら、治療法を選択します。実際の治療にかかる期間は、進行度や治療法によってさまざまですが、とくに歯周病の場合は、治療効果を再評価しながら、必要に応じてさらなる治療を進めていきます。そのため、ていねいな治療を進めるには、時間がかかる場合が多々あります。
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2016年10月5日
むし歯でもないのに冷たいものが歯にしみたり、歯ブラシが当たると歯が痛む。そんな症状がみられるならば、「知覚過敏」かもしれません。
最近はテレビのコマーシャルなどでもよく耳にする「知覚過敏」という言葉。ここでは、その正体についてお話しましょう。
知覚過敏は、医学的には「象牙質知覚過敏」といい、原因は象牙質にあります。
歯の表面はエナメル質で覆われており、エナメル質の内側には象牙質という組織があります。エナメル質は非常に硬い組織で、このエナメル質の外界からの刺激が象牙質に伝わるのを遮断しています。
しかし、歯周病などで歯ぐきが下がり、象牙質がむき出しになることがあります。すると、象牙質の内部に張り巡らされている細い管(象牙細管という)に刺激が直接伝わります。象牙細管には液体が入っており、この液体が刺激によって移動し、その動きが歯髄の神経に伝わると、しみる感覚や痛みを引き起こすのです。
象牙質が露出する原因は歯周病のほかにもあり、歯ぎしりや間違ったブラッシングなどによって、エナメル質が傷つき、剥がれることがあります。
知覚過敏は放置していると、痛みのためブラッシングがおろそかになり、結果、むし歯や歯周病を招いたり、悪化させる原因となります。
「歯がしみる」と感じたら、まずはやわらかめの歯ブラシを使い、丁寧に歯石を除去しましょう。またその際、研磨剤の入っていない知覚過敏用の薬用歯磨き剤を使用すると、痛みを感じる部分にバリアがつくられ、症状を軽減し、汚れをしっかり取り除くことができます。
それでも気になる場合は、歯科医に相談し、定期的にお口の中をチェックしてもらうようにしましょう。
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2016年10月3日
「できれば歯医者には行きたくない…」。そんな人も多いのでは?歯科を敬遠したくなるのは、痛い思いをしたくないからでしょう。しかし、歯科で痛い思いをするのは、病気が進んでから慌てて受診するからです。ただ、歯周病はある程度進行しないと症状を現さないことが多いため、受診が遅れがちなのも事実です。
そこで、「歯科は歯を治療するところ」という意識を変えてみましょう。近年、わが国の医療は、治療中心の医療から予防を含めた医療へと変わりつつあります。歯科の分野でも、予防に力を入れる歯科(予防歯科)が増えてきました。歯周病やむし歯を発症したから受診するのではなく、健康な歯を維持するために受診する。むし歯や歯周病を予防し、いつまでも自分の歯を残すためには、この予防歯科医療が大切なのです。
そこで、年に1回、できれば半年に1回、歯科を受診し、お口の中の健康をチェックするようにしましょう。その際には、ブラッシングなどでは取りきれない歯石も除去してもらいます。また、最近は「デンタルドック」を実施している歯科もあります。デンタルドックとは、歯周病やむし歯の早期発見やリスク発見はもちろん、予防を最優先に考えた歯の人間ドックです。基本的な口腔の検査のほか、歯のクリーニングやブラッシング指導、歯の健康相談などが受けられます。
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