小児だからこそ、早めの虫歯治療を!
2017年9月7日
「大人になってからは、子供の頃のような虫歯になりにくくなった」、「社会人になってからは、歯医者に行ったことがない」などという人は、少なくありません
子供の頃は、甘いものを食べる機会が多いですし、歯磨きもきちんとできませんので、いやでも歯医者の世話になることが多いでしょう。
ただ、じつは「子供の頃だからこそ、早期の治療を行わなければいけないため、こまめに検診をして歯の治療をする」というのも、その理由の1つなのです。
なぜなら、乳歯にできた虫歯が悪化して神経にまで達してしまうと、痛いだけではなく、治療が困難になってしまうからです。
現在の歯科医師は、たとえ乳歯であっても安易に歯を抜くようなことはほとんどありません。それは、乳歯を故意に抜いてしまうことで、その後の顎の形成や歯並びに悪影響が出てしまい、より状況が悪化する可能性があるからです。
そのため、歯を残しておくために、根管治療を行うことになるのですが、小児歯科の根管治療は非常に難しいのです。
まず、乳歯の根管は、大人の歯のように太い管だけではありません。細い管が網目状になっており、すべてを見つけて消毒し、薬を詰めることはたいへん困難です。そのため、どうしても処理に漏れが発生し、違和感や痛みが残って何度も治療を行うことになります。
また、乳歯の根幹の先が閉じている時期は短いため、消毒液や薬がそこから漏れてしまって、うまく消毒できません。詰めている薬が漏れて空洞ができてしまうと、そこで細菌が繁殖し、再発してしまうことになるでしょう。
これら困難な理由のため、腕の良い歯科医師であっても、小児歯科での根管治療はとても難しい治療になります。
大人でも当然ですが、子供の虫歯は特に、早期発見・早期治療をしなければならない理由がここにあるわけです。