根管が見つからない根管治療
2017年8月26日
根管治療は、根管の中に入り込んだ細菌をきれいに洗浄し、薬を詰めてしまって細菌が入ってこないようにする治療です。
そのため、まずは根管の数や形状などをしっかりと把握することが重要です。
しかし、患者様の中には、その根管が見つからない場合があるのです。
特に高齢者に多いのですが、長期間にわたって根管に一定の刺激があった場合、生体反応としてその箇所を守るため、象牙質が増えてしまう(石灰化する)のが原因です。
象牙質は歯と同じですので、レントゲンなどでも分かりづらく、根管を見落としてしまいます。
もちろん、根管治療を専門に行っている歯科医師であれば、根管のあるべき場所が埋まっていることに気づき、拡大鏡などを用いて歯の根の孔を広げることができます。もちろん、歯を削ることになりますので、細心の注意が必要です。
それでも、どうしても痛みや出血が治まらない場合もあります。その場合は、外科的な手術を行って、歯の根の先にある細菌の住処を除去することになります。
石灰化してしまうと、上述のようにたいへんな治療を行うことになりますので、痛みがないからと気を緩めることなく、歯科検診を必ず受けるようにしましょう。早期発見できれば、石灰化が起こることはほとんどなく、そもそも根管治療を行う必要すらないかもしれません。