虫歯の正体はこうしてわかった3
2017年7月21日
定説と現実のギャップに多くの研究者は悩まされていたようです。
結局、虫歯と乳酸桿菌とを結びつける裏付けはなされないままに時が過ぎました。
日本においても長い間、この乳酸桿菌説が幅をきかせていて、感染症としての対応を遅らせてしまったようです
そして今から数十年ほど前、1970年代に入ってようやく、虫歯の原因となる菌は「ミュータンスレンサ球菌」(以下「ミュータンス菌」と略します)であることがわかりました。
ミュータンス菌というのはストレプトコッカス・ミュータンスやストレプトコッカス・ソブリヌスなどという7種類の菌の総称ですが、ヒトからはとくにこの2種類が検出される場合が多いようです。
すでに1924年、イギリスのセントメアリー病院のJ.K.クラークが、ヒトの虫歯から分離したミュータンス菌の存在を明らかにしていました。
それから実に50年たっていたのです。