虫歯の正体はこうしてわかった2
2017年7月18日
乳酸桿菌が虫歯菌と見なされたのは、当時の次のような実験と観察に基づいています。
1.虫歯にかかっている人の唾液や歯の表面には見出されるが、まったく虫歯のない人にはまれにしか検出されないこと。
2.虫歯が発生する3~6ヶ月前に唾液中の乳酸桿菌の増加がみられること
3.ラットで実験的に発生させた虫歯と菌数との間には相関関係があること、などです。
ただし、唾液中の乳酸桿菌数の少ない人にこの菌を口から与えても、口の中に容易に定着しませんでした(つまり、虫歯はできませんでした)。
これは免疫ができていたり、他の菌との間に抗菌関係があるためだと考えられていました。
その後、細菌培養技術に飛躍的な進歩があったにも関わらず、乳酸桿菌数と虫歯の間に明確な相関関係は見出せず、動物実験においても虫歯を発生させることができませんでした。