子どもの虫歯は親のせい1
2017年7月6日
「お菓子ばっかり食べているからでしょ」、「歯をきちんと磨かないからですよ」と怒られてシュンとしながら、虫歯の痛みに涙を流した経験のある人は少なくないはずです。
ところが、虫歯の原因はそんなところにはありません。「虫歯は感染症です」といったら、あなたは一瞬耳を疑うことでしょう。
感染症といえば、真っ先にインフルエンザやコレラ、エイズなど思い浮かべますが、正確にはウイルスや細菌、寄生虫などの微生物が体内に侵入して、臓器や組織の中で増殖することを「感染」といい、その結果生じる病気を感染症といいます。
インフルエンザやエイズなどのように人から人へ伝染する病気のことを伝染性感染症、膀胱炎や破傷風などのように伝染しないものを非伝染性感染症といいます。虫歯は、インフルエンザやエイズと同じ伝染する感染症なのです。
虫歯は口の中にいる細菌のうち、とくに「ミュータンスレンサ球菌」という細菌の感染によってできる、ということは数十年ほど前から分かっていました。
この菌の説明はあとにするとして、ここではひとまず虫歯菌と呼んでおきましょう。
虫歯菌の感染によって虫歯になることは、歯科の世界では常識のようになっていますが、いまだに一般の人たちにも広まっていないようです。
みなさんの中には甘い物の取りすぎで虫歯になるとか、歯垢が溜まって歯のエナメル質が溶けて虫歯になると考えている人が多いのではないでしょうか。
「感染症だということは、うつらなければ虫歯にならないってこと?」と思われるでしょう。
その通り、答えは「イエス」です。