歯医者と患者の新しい関係7
2017年5月12日
論語に次のような言葉があります。「子曰く、これを知るものは、これを好むものにしかず、これを好むものは、これを楽しむものにしかず。」孔子は仕事に活きる心得を「知る」「好む」「楽しむ」という言葉で段階づけて説いています。
歯科医学の知識や理論を「知って」頭の中だけにいっぱい詰め込んでいても、そんな人は歯科医学や歯科医療を「好む」人にはかないません。さらに、ただやみくもに歯科医学や歯科医療が好きであっても、その人は歯科医療を「楽しみ」ながら行っている人にかなわないということです。
医療を楽しむ人とは、どういう人でしょうか。さまざまな患者に接し、いろいろな病気を治療し、そして治っていく様を見つめて評価して、患者と共に喜び楽しむ。病気を治す楽しみを味わうことができる人であると思います。
それでは、楽しむ境地に至るまで、どのような過程を踏むのでしょうか。歯科医師という仕事を深くみつめ、そのための訓練を十分積むこと、また、いかに歯科医療の仕事に深くかかわっていくかということが最初に考えられます。そうなれば、全力を尽くさない仕事ぶりでは、深く生きたことにならないわけです。