レーザー治療1
2017年5月15日
一般的に「レーザー」と聞くと映画007シリーズなどで使用されていた破壊兵器のイメージが強いですが、兵器に使用する場合は破壊力を増加させるために、出力するレーザーのエネルギー量も増加させているのです。
本来レーザーというエネルギーというエネルギーは、出力をコントロールすることで、その出力に反応する組織だけを破壊するという離れ業をやってのけます。その性質を利用して、治療対象となる組織だけを除去しようと考えられたのが医療用レーザーです。
現在この医療用レーザーは、医療の様々な分野で活躍しています。代表的なものとしては、ホクロや皮膚のシミ取り、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚炎の治療、眼科領域では緑内障や近視矯正術、整形外科やペインクリニックの領域では腰痛症、肩関節周囲炎や各種疼痛性疾患、泌尿器科では前立腺肥大症、そして痔の手術などにも応用されています。
それでは、歯科領域のどのような治療にレーザーが利用されているのでしょうか。
レーザーはそのエネルギーだけに反応する組織を限定できます。だから対象となる組織、例えば虫歯の部分だけが反応するような出力に設定すれば、虫歯だけを除去することができます。
また、歯を磨いたときに出血するような歯周病の場合は、歯肉にレーザーをあてることで出血を抑えたり、歯の動揺を治すこともできます。従来の歯周病治療に比べて短期間に治療ができ効果も期待できます。さらに、レーザーを照射した歯質の表面は、一層が溶けたようなメルティング層を形成するため、その部分の歯質の強化にもつながり二次的な虫歯になりにくいというメリットもあります。痛みもなく無麻酔で処置ができるので、患者さんにとっても快適な治療になっているようです。