歯医者と患者の新しい関係6
2017年5月10日
戦後、国民医療保険の普及で多くの人々がとりあえず平等に医療を受けることができるようになりました。反面、医原性疾患(医療ミスが引き起こすあらたな疾患)も激増しました。おまけに医師の職業意識も蝕まれてきました、特に歯科治療ではその低医療費が腕の良い歯科医を虐げてきた歴史があります。歯科医療に、名医を生みにくくしている一因は、現行の医療保険制度にあると言えるかもしれません。
ところで、よく、あの先生は良心的だ、とか、良心的でない、とかいう話を聞きます。しかし、当の本人は、自分が良心的だと、それほど深く自覚して毎日の仕事に打ち込んでいるでしょうか。
また良心的だと他人から思われている人も、自分が非良心的だと、それほど自覚して毎日の診療をしているでしょうか。
それはあくまでも、他人から見たその人の主観的な評価ではないでしょうか。医療には当事者が良心的、非良心的をなかなか定義づけられない側面があります。ただ言えることは、良心的といわれる人々は、無意識の中に、自分自身の存在意義を毎日の仕事に具現しているのではないでしょうか。