根管治療とは13
2017年4月17日
根管治療には、歯科の一般手的な治療(もちろん歯科以外の治療も含めまして)と大きな違いがあります。それは他の治療法がほとんど目で見えるところで治療することが可能であるということです。たとえ物体の裏側であっても鏡で反射させてみることができるとか。他の分野の治療では、問題の箇所が目の見えないところであっても、いろいろ調べたうえで病巣部を切り開いて手術を行います。そのあと解剖学的にある程度修復すれば、生体の「自然治癒能力」がその部分を望ましい状態に戻してくれます。肉とか血管、骨はこれらの範囲に含まれます。
ところが根管治療というのは、細い根管の中で器具をいろいろ動かします。特に歯肉から下は骨に埋まっている部分で、ほとんど目で見ることはできません。おまけに再生しない象牙質という硬い部分が対象となります。通常はレントゲン・フィルムを唯一の頼りに、手探りの治療を行います。最近は根管長測定器の開発によって、根の長さは測ることができるようになりました。しかし、これを用いたからといって、すべての歯について厳正中立なデータを獲得できるとは限りません。根管治療では長さの測定をすることも必要ですが、どの方向にどの程度、根が屈曲しているかを知ることも重要です。