歯周炎の治療はどのように行うか
2017年2月24日
歯周炎が軽度の場合には、歯肉炎と同様に、歯周病に影響を及ぼすプラークや歯石の除去を行ったうえで、さらに細菌が産生した毒素などで汚染されているセメント質の一部を除去し、歯根表面を平らにするスケーリング・ルートプレーニングを行い、治癒を図ります。
また、歯周組織に外傷を引き起こす咬合が存在する場合には、咬合調整(噛み合わせで強く当たっている部分を削ること)を行うことがあります。
歯周炎が進行している場合には、歯周ポケットが深くなり根の形態も複雑なため、歯周基本治療後にも十分な改善が認められないことがあります。そのような場合は、歯周外科治療である歯周ポケット掻爬術、歯肉切除術、フラップ手術、組織再生誘導法(GTR法)などを行います。
さらに進行した重度の歯周炎になると、歯を支えている組織がわずかになり、少し噛みしめただけでも歯はグラグラ動くようになります。そのままでは噛みにくく歯を支える組織にも有害であるため、歯周基本治療中に、まず一時的に歯を固定(暫間固定)してから治療を進めていき、再診査後に動揺をチェックして、必要があれば永久的な歯の固定(永久固定)を行います。
また、歯を支えている組織がほとんどなく保存が不可能な歯に対しては、抜歯を行うこともあります。この場合は、残っている歯に障害を与えないように一時的に歯を抜いた部分に補綴物(入れ歯、詰めもの、被せものなど)を装着して咬合の負担を軽減させ、炎症が改善された後で最終的な補綴物を装着します。
注意しなければいけないのは、歯を抜きたくないからといって保存不可能な歯をいつまでも放置していると、周りの歯に悪影響を及ぼすことがあるということです。したがって、抜歯も重要な治療法の一つなのです。