歯周病を起こしやすい条件とは6
2017年2月6日
歯周病と全身疾患の関係
これまで歯周病と全身疾患との関係では、全身疾患があると歯周病が進行しやすくなる点が強調されてきました。それは歯周病が、からだの抵抗力と細菌の強さとのバランスの上に成り立つ疾患だからです。
つまり、全身の抵抗力が強ければ、多少ブラッシングのしかたが悪く、細菌の集合体であるプラークがたまっていても歯周病は進行しませんが、抵抗力が落ちてしまうと、少しの歯垢の存在でも歯周病は進行を始めます。もちろん抵抗力はふつうでも、プラークの量が多ければ歯周病は進行します。
このように、全身疾患に罹患し抵抗力が落ちると、少しのプラークが存在するだけで、歯周病が進行しやすくなってしまうという関係です。
とくに糖尿病では、外から侵入しようとする細菌に対して防御的に働く白血球の機能が障害されるため、細菌感染に対する抵抗性が極端に落ちてしまいます。歯周病は細菌感染症ですから、糖尿病になると短期間のうちに重症の歯周病に進んでしまいます。また、糖尿病では傷の治りも悪くなるため、治療後の回復もよくありません。