歯肉炎と歯周炎はどうちがうのか2
2017年1月23日
歯周炎
歯肉炎の状態を放置したり、気がつかないでいると、歯肉に限局していた炎症は周囲に広がり、歯肉の下にある歯を植える骨(歯槽骨)や歯と骨をつなぐ歯根膜、セメント質を破壊していきます。この状態にまで進行すると歯肉炎ではなく、歯周炎という名前を使うようになります。
歯周炎は組織の破壊状態により、軽度歯周炎、中等度歯周炎、重度歯周炎に分類されます。
いずれにしては歯周炎になると、どんなに歯垢を取り除き、プラーク・コントロールを行っても、けっして正常な状態にまでは回復することはありません。
軽度歯周炎では、歯肉炎と同様に大きな自覚症状はなく、ブラッシングやものを食べたときなどの歯肉からの出血がおもな症状となります。
中等度歯周炎になると、歯のぐらつきが起こりはじめ、歯茎から膿が出たり、歯茎が腫れたりするようになります。歯を植えている歯槽骨が破壊されることで歯茎がやせ、歯が伸びたように見えたり、歯と歯の間の隙間が広がって見えたりします。また、歯周ポケットから出る膿や歯の表面に蓄積した歯垢により、口臭が発生することがあります。
重度歯周炎では、歯のぐらつきがさらに大きくなり、ものが噛みづらくなり、歯があちこちに移動するようになります。そして最後には歯が抜け落ちてしまいます。なるべく早い時期に歯周治療を受けることが大切で、あまり重度になってしまうと歯を残すことが難しくなります。
以上のように歯周炎では、歯肉炎が進行して生じること、一度歯周炎になると、もとどおりの正常な状態には戻らないこと、早期に歯周治療を受けることによって歯周病の進行を止めること、放置すると歯が脱落してしまうことなどが特徴といえるでしょう。