歯周病はなぜ起こるか1
2017年1月13日
歯周病が、口腔内の細菌により引き起こされることは古くから考えられていましたが、1900年半ば頃まではプラーク(歯垢)中に見られるすべての細菌種は、歯周病を同じように引き起こすことができると思われていました。そして歯周病は、歯肉へのプラークの長期間にわたる接触により引き起こされると考えられていました。
1960年代になると、健康な部位と疾患におかされた部位では細菌の形態にちがいがあることが明らかとなり、歯周病に特異な細菌つまり歯周病原菌の存在がやっと考えられるようになりました。
プラークは、ほぼ80パーセントが細菌の固まりで、その湿重量は1mg程度であり、なかに約数億もの細菌がいるといわれています。歯垢ともいわれていますが、いわれる通常の皮膚などに生じる上皮が剥離した垢ではありません。
プラーク中には100種類を超える細菌が存在し、そのうち十数種類の細菌が、歯周病の発症に関係する歯周病原菌であることが明らかになってきました。
このような歯周病原菌のうち、アクチノマイセス・ビスコーサスやアクチノマイセス・ネスランディといった細菌は、歯と歯茎の境目に存在し、歯肉炎を引き起こします。