噛み合わせ、歯並びは大丈夫?
2016年9月30日
噛み合わせや歯並びの不具合は「不正咬合(こうごう)」と言いますが、最近はこの不正咬合と歯周病との関係が大いに注目されています。不正咬合が歯周病を悪化させる原因には、次のようなことが考えられます。
まず物理的な原因として、歯周病菌、すなわち、プラークがたまりやすくなります。また、噛み合わせが悪く、特定の歯に力が集中すると、その歯の周りの歯周組織が圧迫され、歯根膜繊維の血流が悪くなることが挙げられます。歯根膜繊維の血流が悪くなると、歯と歯槽骨をつないでいる歯根膜が破壊され、歯がグラグラしてきます。常にグラグラしている歯に、さらに異常な噛む力が加わることで、歯槽骨の破壊が進み、次第に歯周ポケットが深くなるのです。歯周ポケットの深さは歯周病の進行度に比例することからも、不正咬合が歯周病を悪化させるということがおわかりいただけるでしょう。
一方で、噛み合わせが悪いと、上下の歯をしっかり噛み合わせるために、無意識のうちに顎を左右または前後にずらして噛むようになります。このような状態を続けていると、顎の筋肉は常に緊張を強いられ、顎を支える首や肩の筋肉にもストレスがたまり、自律神経のバランスを崩しやすくなります。自律神経の乱れはホルモンのバランスを崩し、免疫力の低下を招きます。結果として、歯周病菌の増殖を許すこととなり、直接的ではありませんが、歯周病の悪化につながるのです。
不正咬合は、歯並びが悪いなど見た目からわかる場合もありますが、そうでない場合は、無意識に顎をずらして噛んでいるので、自分ではなかなか気づかないことが多いものです。気になる人は、一度歯科でチェックしてもらうとよいでしょう。
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