80歳になっても20本の歯を残す
2016年9月5日
中高年になって歯を失う原因の多くは、歯周病であることが分かった今、これを阻止しない手はありません。生涯、自分で噛むことを目指したいものです。
厚生労働省は、2000年より「健康日本21」という国民健康づくり運動を推進しています。この運動では、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸、QOL(Quality of Life=生活の質)の向上を目的に9分野にわたって目標や対策を設定しており、このなかには歯科保健の分野も含まれています。
歯科保健の分野では、1992年から「8020(ハチマルニイマル)運動」が推進されてきました。8020運動とは、生涯にわたって自分の歯を20本以上残すことで、健全な咀嚼能力を維持し、健やかで楽しい生活を送ろうという運動です。健康日本21ではこの実現に向けて、定期的な歯科検診や歯石除去、歯間部清掃用器具の使用など、むし歯と歯周病の予防について、いくつかの目標が設定されています。
ところが、現実には残念なことに、80歳以上での平均残存歯数が9本以下と、目標にはほど遠い状況です。歯周病予防はもちろん、歯の健康に対する意識がまだまだ足りないのでしょう。事実、予防歯科医療の先進国といわれるスウェーデンやオランダでは、定期的な歯のメンテナンスを国民に義務付けてきた結果、80歳になっても平均25本もの歯が残されています。
日本人も負けていられません。むし歯や歯周病を正しく理解し、予防すれば、80歳で20本は実現可能なのです。
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