歯を構成する4つの組織、「エナメル質」「セメント質」「象牙質」「歯髄」
2016年9月16日
歯には、地面に打ちつけられた杭のように、見えている部分と歯肉(歯ぐき)に埋まっている部分があります。見えている部分が「歯冠」、歯肉に埋まって見えない部分は「歯根」といいます。歯肉の下では、「歯槽骨」が歯根を支えています。歯は、あごの骨の歯槽骨という部分に歯根が埋まるような形で生えており、歯槽骨はいわゆる歯の土台となる部分です。
歯冠は直接物を噛んだり、砕いたりする部分です。物を噛む瞬間には、自分の体重ほどの力が加わるため、丈夫なつくりでなければなりません。そのため、歯冠の表面は「エナメル質」という白く硬い組織で覆われています。エナメル質の硬度は水晶に匹敵するといわれ、歯が人体で最も硬い組織といわれる理由はこのエナメル質の硬度によります。
一方、歯根の表面は、骨と同じ構造をしているセメント質という組織で覆われ、セメント質と歯槽骨の間には「歯根膜」という膜が張られています。セメント質は、直接物を噛み切ったり、砕いたりすることがないので、エナメル質ほど硬くはありませんが、歯と骨をつなぐ重要な役割を担っています。
エナメル質とセメント質の内側には、象牙質という組織があります。象牙質はエナメル質よりもやわらかく、むし歯になると侵食・破壊がすすみやすい部分でもあります。また、冷たいものなどがしみる「知覚過敏」の原因は、象牙質にあることが分かってきました。
象牙質の中心部には「歯髄」があり、血管や神経が入り込んでいます。むし歯による浸食・破壊がここまで及ぶと、痛みを感じます。
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