喫煙は最大のリスクファクター
2016年8月22日
喫煙による害というと、真っ先に挙げられるのががんでしょう。欧米の研究によると、がん全体の30%、肺がんについては90%近くが喫煙の影響と考えられています。そのほかにも、喫煙は肺気腫など呼吸器系の病気、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因として知られており、妊娠や出産への悪影響も指摘されています。
「百害あって一利なし」といわれるたばこですが、実は歯周病も喫煙の影響が非常に大きい病気の一つなのです。
喫煙は、さまざまな方向から口腔内の環境を悪化させます。まず、たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素には、血管を収縮し、血液の流れを悪くする作用があります。歯肉の血流が悪くなると、歯肉に酸素や栄養が十分に行き届かず、歯周病菌と戦う免疫機能も低下してしまいます。一酸化炭素には、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンと結びつき、酸素の運搬能力を低下させる作用もあり、歯肉はさらに酸素不足に陥ります。結果、歯周病を引き起こしたり、悪化させることにつながるのです。
一方で、喫煙は歯肉の細胞の活性を抑制するため、炎症を起こした歯肉の回復を妨げ、治りにくくします。また、唾液の分泌を抑制するため、唾液の洗浄作用や殺菌作用が十分に働かず、歯周病菌を増殖させる原因にもなります。
歯周病治療の第一条件に、「禁煙」を挙げる歯科医も少なくありません。直ちに禁煙することが、歯周病の予防・治療の第一歩です。
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