歯周病は妊婦・胎児にも悪影響が
2016年8月15日
妊娠中に歯周病にかかっていると、通常の出産に比べて、早産や低体重児出産の危険性が約7倍になるという報告があります。アルコールやタバコが妊婦や胎児に与える悪影響は、みなさんもよくご存知でしょう。しかし、歯周病の悪影響は、なんとアルコールやたばこの約2倍といわれているのです。
早産とは、妊娠期間22~36週の出産をいいます。早産は妊娠週数が短いほど、胎児に大きなダメージを強いることになります。一方、低体重児出産とは、出生時の体重が2500g未満で生まれた赤ちゃんのことをいいます。低体重児出産の原因は早産が多いのは当然ですが、子宮内での胎児の発育が遅れることも多く、その原因としては妊娠中毒症や喫煙、そして最近は歯周病も危険因子の一つとして取り上げられています。
歯周病の炎症の過程では、細菌と闘うためにサイトカインなどの生理活性物質が作り出されます。その一つに、プロスタグランジンという物質があり、プロスタグランジンには子宮を収縮させる作用があるのです。プロスタグランジンの子宮収縮作用はとても強力で、陣痛促進剤として使われるほどです。妊娠の早い時期からプロスタグランジンの作用を受けていると、予定日まで日数があるのに陣痛が促進され、早産となってしまいます。また、早産にならなくても、頻繁に子宮の収縮が起こっていると胎児は胎盤から十分に酸素や栄養をバランスよく取り込むことができず、発育が妨げられます。
健康な赤ちゃんを出産するためにも、妊婦はもちろん、これから出産を考えている女性は、歯周病の予防治療を徹底してください。
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