歯周病とメタボリックシンドロームの深い関係
2016年8月10日
近年、何かと話題の「メタボリックシンドローム」。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常症といった複数の生活習慣病を併せ持った状態をいいます。それぞれの病気は単独では軽症でも、複数の病気が重なると動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞や脳卒中の危険性を高めるとして、予防・改善の必要性が叫ばれています。
実は、歯周病はこのメタボリックシンドロームとも深いかかわりがあるといわれています。九州大学の研究者の調査によると、肥満の人はそうでない人に比べて3.4倍、重度の肥満の人になると8.6倍も歯周病になりやすいことが証明されています。一方で、歯周病には、メタボリックシンドロームの危険因子の一つである糖尿病とも深く関係しています。
つまり、肥満と糖尿病を併せ持っている人は、メタボリックシンドロームが進みやすいと同時に、歯周病の危険も高まるということです。メタボリックシンドロームと歯周病は、それぞれが動脈硬化を進める危険因子となるため、両者が肩を並べて進行すると、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険性をますます高めることになります。
また、メタボリックシンドロームの危険因子である高血糖、高血圧、脂質異常症は、いずれも食生活が深く関連している病気です。食生活の改善はこれらの生活習慣病予防の基本でもあり、ポイントは「バランスの良い食事をよく噛んで食べる」ことにあります。その土台となるのが、歯の健康です。メタボリックシンドロームの予防・改善のためにも、歯周病から歯を守ることが大切といえるのです。
http://www.icco-d.com/