フッ素の虫歯予防効果
2016年6月20日
歯の表面のエナメル質は、ハイドロキシアパタイトというものでできています。じつは、このハイドロキシアパタイトは非常に硬い組織ですが、酸にはよく溶け、壊れやすい特徴があります。虫歯菌の出す酸で、すぐに歯の表面が溶け出してしまいます。
そこで、役立つのがフッ素です。フッ素をエナメル質に作用させると、フルオロアパタイトという、酸に溶かされにくい歯質になります。つまり歯質を強化するわけです。
さらに、酸性に傾いた口の中を中性に戻す、唾液の緩衝能という作用を高めて、まだ目に見えない初期虫歯の再石灰化を促す働きもあるので、フッ素ジェルをぬるだけで治せる場合もあります。
フッ素は一般に、子どもの虫歯予防アイテムと思われがちですが、じつは、大人にとっても必須です。フッ素入り歯磨剤やフッ素ジェルは、ずっと使い続けてほしいものなのです。
永久歯のエナメル質が形作られる子どものころにフッ素を過剰に摂取すると、歯に白い斑点ができたり、骨の形成に悪影響が出る可能性はあります。しかし、これはあくまで適量を超えて使った場合です。1回分の歯磨剤に含まれるフッ素はごく微量なので、歯磨剤使用だけで、歯はもちろん、全身に影響が出るとは考えられません。
また、ホワイトニングをしたときに歯が少し染みる場合や知覚過敏なら、フッ素ジェルを塗布するだけで治せる場合もあります。ふだんの虫歯予防アイテムにぜひ加えてください。
一壺歯科医院
http://www.icco-d.com/