大人の虫歯は子どもとは違う2
2016年5月25日
口の中の人工物が年月とともに傷んでくると歯との間にすき間ができ、そこから虫歯が発生しやすくなります。歯と被せ物の収縮率の違いから、被せ物と歯の間のすき間ができ、そこから虫歯になる場合もあります。
詰め物やつらなった被せ物は、天然の歯に比べて、どうしても汚れがつきやすいという欠点があります。そのため、その周辺は健康な歯以上に、ていねいに掃除する必要があるのです。
「治療が終わったからもう心配ない」という油断は大敵!
年齢とともに歯肉は縮みます。縮んで露出した歯の根は、虫歯ができやすくなります。大人に多い虫歯です。
歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われています。しかし歯肉に近づくにつれ、エナメル質はだんだん薄くなります。
そのため歯と歯茎の境目を硬い歯ブラシでごしごし磨く癖があると、エナメル質がすり減って、その下の象牙質がむき出しになってしまうことがあります。象牙質には、神経の管が通っていますから、冷たい水や甘いものが染みてきます。いわゆる知覚過敏です。また、エナメル質と違って象牙質は軟らかい組織なので、歯ブラシの力でも容易にすり減ってしまいます。くさび方にすり減ることが多いので、この状態を専門的には「楔(きつ)状欠損」といいます。
さらに、楔状欠損は、側面からの力がかかるかみ合わせでも起こる場合があります。歯周病などで歯肉がさらに下がると、今度は歯の根(歯根)が露出した状態になります。歯根表面はセメント質という非常に薄い組織で覆われているので、力を入れて歯磨きを続けるとセメント質がはがれ、根面カリエスという大人に特有の歯根付近の虫歯にかかりやすくなります。
これらを予防するには、軟らかめの歯ブラシで、ごしごし磨くのではなく、適度な力で震わせながら磨く微振動磨きを心がけることが大切です。
一壺歯科医院
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