マイクロエンドとは
2015年1月1日
従来の根の治療は手探りで術者の手の感覚を頼りに行うのが普通でした。
なぜなら、どんなに光を当てようとしても根の中は入り口のみしか見ることが出来ないからです。
ところが近年、マイクロスコープと呼ばれる顕微鏡を用いて精密な根管治療を行うことができるようになりました。
この特殊な根管治療のことを「マイクロエンド」と呼んでいます。
この技術により、これまで非常に難しいと言われていた根管治療の治療成績が飛躍的にアップしました。ですが残念ながら日本でマイクロスコープを導入されている歯科医院はまだほんの数パーセントにしかすぎません。ちなみにアメリカの根管治療専門医はマイクロスコープを使うことが法律で義務となっています。日本以外の先進国ではマイクロスコープを使っての治療が「特殊」ではなく「当たり前」になってきているのです。
マイクロスコープで可能になったこととして
1.見たい部分を大きく拡大して見ることができる
2.暗くい根管を明るく照らし、深い部分まで見ることができる
と言うことが挙げられます。
これらの効果によって、これまで見ることのできなかった歯の汚染部分を目でよく確認しながら取り除くことが可能となったのです。
それにより、これまでの根管治療で基本であった「根管の汚染物質を取り除くためには、根の中を大きく削り取る」ということをしなくても良くなりました。これは目で直接汚染した部分を見ることが出来なかった故の苦肉の策ともいえるものです。
確かに大きく削れば汚染物質をより多く取り除けるかもしれまん。がしかし、同時に健康な部分も削り取られるわけです。歯は薄くなるとのちに割れたりするリスクが非常に高くなり、結果的に歯の寿命を縮めてしまうことになります。
マイクロエンドにより、健全歯質を出来るだけ残そうという Minimal Intervention(ミニマルインターベンション)が可能となり、歯をなるべく薄くすることなく治療ができるようになりました。
残念ながら現在の日本の保険診療では、根管治療に必須ともいえるマイクロエンドやラバーダム防湿法なしに行われていることがほとんどで、根管治療の予後はあまり良いとは言えず、再根管治療が必要となるケースがほとんどです。
大切な自分の歯で一生噛めるようにするためにも、より高度な診断・治療を行うことのできるマイクロエンドをぜひお勧めいたします。
詳しくは当医院のホームページをぜひご覧ください。
http://www.icco-d.com/0528microscope/