歯性上顎洞炎とは
2014年12月21日
前回のブログの記事「根尖病巣を放置していると起こりうること」のなかで触れた「歯性上顎洞炎」についてお話したいと思います。
上顎洞とは副鼻腔という空洞の一部分であり、上の奥歯の根の上の方に存在します。人によってはこの上顎洞の位置が非常に歯の根っこと近く、歯を原因とする感染がこの上顎洞に及ぶ場合があります。
そうすると、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)と同じような症状が出ます。「歯性」というのは歯が原因となっている、という意味です。
■歯性上顎洞炎を起こす原因としては以下のものがあります。
・根尖病巣から細菌が空洞に入り込む
・歯周病がかなり進行した場合に歯の周囲から細菌が空洞に入り込む
・抜歯後に抜いた穴と空洞がつながる
・抜歯後に抜いた歯が空洞に入り込む
・根の治療において器具や根に詰める薬が根の先端を突き抜けて空洞に入り込む
■歯性上顎洞炎の症状は次の通りです。
・鼻づまり、または鼻から膿が出る
・上奥歯の外側の歯ぐきが腫れたり上から押すと痛む
・頬の部分の圧迫感や鈍痛
・噛むと痛む
・頭を前方に傾けたりすると痛みが悪化する
■歯性上顎洞炎の治療は以下のようなものがあります
・抗生剤の投与
・原因となる歯の治療、または抜歯
・上顎洞炎根治術:上記の治療で改善が見られない場合や抜歯した歯が入り込んでしまっている時
歯性上顎洞炎の診断はレントゲンを撮って行います。歯性上顎洞炎の割合は全体の上顎洞炎の2割ほどを占めていると言われています。
根の状態など不安がおありの方はぜひ当医院にご相談ください。
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