歯周病が引き起こす病気
2017年10月17日
歯周病の症状は、「歯茎が腫れる」、「歯茎から血が出る」、「歯がグラグラする」などして、最終的には歯が抜けてしまうという恐ろしいものです。
もちろん、これらの自覚症状が出てくるほどになると、食事をするのは辛く、口臭が酷くなって話すこともできないといった精神的な苦痛もあるでしょう。
じつは、歯周病はこういった口内の症状だけでは済まない恐ろしさもあります。
近年の研究によると、数多くの全身の疾患に、歯周病菌が関連していると言われているのです。具体的には、肺炎や気管支炎、心筋梗塞や動脈硬化、早産などが挙げられています。
特に、心筋梗塞や動脈硬化などの心疾患については、歯周病の人とそうでない人で、明らかに歯周病の人の方が罹りやすいという研究結果が出ており、歯周病と心疾患の関連については、医師の間では常識になりつつあります。
これらの全身症状が歯周病によって引き起こされるメカニズムは、はっきりとしていません。しかし、歯周病になった人の歯茎は頻繁に出血しますので、その傷口から歯周病菌が体内に入り込むという仮説が有力です。
血管に入り込んだ細菌は、容易に全身を駆け巡ることができます。たとえば、歯周病菌が血管の内側に張り付いて増殖した場合、その血管は細く、硬くなります。そうなると、動脈硬化が引き起こされるでしょう。
また、肺に到達した歯周病菌がそこで増殖できれば、肺の中の細い血管を詰まらせることは難しくありません。
このように、歯周病は、放置していると全身の症状を引き起こすことがあるのです。ぜひ、歯科医で検診を受け、正しいブラッシングを教えてもらって、歯周病を予防していきましょう。