歯医者と患者の新しい関係3
2017年5月3日
ここ数年来、医学部あるいは歯学部の入学時に要する多額な入学金・寄付金等にからんで医師の質の低下を心配する声があります。国家試験に関してもずいぶん大きな話題を提供しております。国家試験を難しくして、質の悪い人間を医者にさせない、歯医者にさせないという発想が、その主流をなしているわけです。
しかし国家試験をただ難しくすることだけが、ほんとうによい医者を育てることにつながるのでしょうか。歯科大学や医科大学がだんだん医学教育的な本来の目的からはずれ、極端な場合は最終学年が国家試験のいわゆる予備校になってきています。大学の教育者たちが国家試験の合格率に一喜一憂しているというのが、偽らない現状ではないでしょうか。こんなことでは将来に非常に不安を感じます。