根管治療とは5
2017年3月29日
根管治療に成功する秘訣は、管を密閉することです(特に根の先端を)。薬をしみ込ませた綿を入れておくだけでは、外界との遮断ができません。これで悪い経過をたどることがわかります。
それから、薬物を充填する方法、これも薬物は根の先から溶け出していく場合もありますし、十分な密閉が永続的に期待できるかというと、そうはいきません。この場合も、往々にして好ましくない経過をたどることになります。
次にガターチャ・ポイントという、既成のある一定の太さを有した棒状の天然ゴムを入れる方法があります。これも根の先までしっかり入っていなければ、綿を詰めたり、あるいはのり状の薬を詰めたりするのと同じ結果を招きます。根の先端でいかに密閉できるかということが、成功の重要なポイントなのですから、そこが緊密にパッキングされていない時は、全く同じような経過をたどります。
ところで、歯科治療が最も進んでいるといわれる米国でも、歯の無い人が意外に多いことは専門家の間ではよく知られています。
たしかに、日本のほうが歯の残存率は高いのです。しかし、それは日本の根管治療が優秀であることとは、全く次元の異なることがらです。
日本では、根の先が化膿していたり、不快症状を伴ったまま、口の中に放置されています。もし日本のような根管治療を米国で行ったら、大多数の歯科医は、その資格を剥奪されることでしょう。医療訴訟の多い国、米国の特殊な事情が、やむなく抜歯を選択させているのです。