ブラッシングの知識1
2017年3月13日
「ブラッシングは一日に何回、そして一回に何分くらいの時間をかければいいのか?」
このような患者さんからの質問に答えるために生まれたものに「三・三・三」運動がありました。すなわち、ブラッシングは一日三回、食事をしたあと三分以内に、三分間行うのが最も望ましいという考え方です。
しかし、近年の研究では、歯周病の原因となるプラークが歯面に付着するには八時間かかることが明らかにされています。したがってブラッシングも、必ずしも毎食後の三分以内にしなくてもよいと考えられるようになってきました。さらに現在では、ていねいなブラッシングをするのであれば、ブラッシングの回数は一日一回でもよいというのが一般的な意見です。
この一回は、一日のうちのいつでもいいのですが、とくに寝る前が望ましいとされています。なぜなら睡眠中は唾液の分泌量が減り、プラークが成長しやすくなるので、就寝前のブラッシングはプラーク生成を抑制する点でより効果的です。
ブラッシングの効果は、決して回数によるものではありません。短時間で不十分なブラッシングを一日三回するよりも、一日一回ゆっくり時間をかけ、ていねいにしたほうがはるかに効果があります。もちろん自分のブラッシングに不安のある人は、「1日三回食べたら磨く」を基本にしてもよいのですが、より重要なことは、正しくブラッシングができているかです。
このめやすとして、どんなブラッシング方法でも正しくていねいに行えば、三分以上はかかります。一度自分のブラッシング時間を測ってみると良いでしょう。