歯医者と患者の新しい関係1
2017年4月28日
現在は低成長の時代です。福祉の切り捨てが取りざたされています。国家財政の中で、社会保障費の伸びも下がってきています。そこで患者としてどのように対処していかねばならないのでしょうか。患者は自らが変革の原動力にならなければいけないと思います。自分が本当に口の中の健康に関心をもった良い患者であったかどうか、自問自答していただきたいのです。虫歯の進行、そして歯周病(歯槽膿漏)の悪化というものは、患者の不摂生に起因する場合も多いと思います。
健康は失ってみないと、そのありがたみが分かりません。歯を失う前にもっと気をつかうべきです。日本にはまだ口腔疾患軽視の風潮がのこっています。
歯科口腔疾患(虫歯や歯槽膿漏)は食生活というごく一般的生活習慣から由来する慢性疾患です。これらを予防するにはその当時者である患者自身が、毎日の生活の改善を図るという意識変革がなければ効果は期待できません。今後は患者自らに自助自立の精神が必要です。これらの慢性疾患を良くしていくという、患者の立場での努力をなお一層養っていただきたいものです。
歯科医選びにも心する必要があります。肩書きや診療設備の豪華さに惑わされたりせず、実際に治療を受けた患者の生の声を聞いて判断しなければなりません。選択の基準は本質的なものを基盤にするべきです。患者一人ひとりが目利きでなければなりません。歯科医療制度が不備な現在では、患者の慎重な態度が自分を守り、医療費の無駄を防ぐのです。