天然歯に限りなく近い。人工の歯根をあごに埋め込む「インプラント」
2016年11月7日
ブリッジや部分入れ歯は歯冠部のみを補うものでしたが、「インプラント」は歯根部までを再現した画期的な治療法です。あごの骨に歯根に代わる金属の土台を埋め込み、これを土台に人工歯をかぶせるのです。人工歯根に使われるのはチタンという金属で、チタンが骨と結合する性質を利用して固定するため、噛む力は天然の歯とほぼ同等になります。
これまでは、むし歯や歯周病で歯を失うとまずブリッジが検討され、ブリッジが適応外の場合は入れ歯という治療法が主に選択されてきました。しかし、入れ歯は天然の歯にくらべて噛む力が弱く、取り外しの手間がかかるとともに、装着した場合は違和感がつきまといます。ブリッジは比較的噛む力も強く、違和感も少ないのですが、健康な歯を削らなければならないという大きなデメリットがあります。しかも、健康な歯にかかる負担が大きく、将来的に歯を失う可能性も高くなります。
その点、インプラントはあごの骨に土台をしっかり埋め込んで固定するため、自分の歯と同じ感覚で噛むことができます。周囲の歯を削らずにすみ、負担をかけることもありません。また、見た目にも天然の歯と変わらない審美性を得ることができます。
現在、国内で使われているインプラントは20種類以上あり、多くは土台を埋め込むための手術と、人工歯を取り付けるための手術を2回に分けて行います。最近は、2つの手術を1回で済ませる方法も普及しつつありますが、適応しない場合や骨量が十分でないと失敗するリスクは高まる場合があります。インプラントを選択するときは、このようなリスクも含めて歯科医とよく相談することが大切です。
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