抜歯することになったら
2016年10月28日
以前は、炎症がひどくグラついた歯には、簡単に抜いてしまう治療が頻繁に行われていました。現在は、歯周病の考え方や治療法が進歩し、できるだけ抜かない治療が主流になっています。しかし、そうはいってもあまりにもひどくなった歯周病には、抜歯という処置が適切な場合があります。
私たちの歯は、そう簡単に抜けたりグラついたりはしません。歯周病が進んでも、奥歯の根は複数に分かれて、さらにそれが複雑に分かれているため、簡単にグラついたりはしません。また、前歯がグラグラしてきた場合も、つないで固定してあれば、簡単に抜けたりすることはありません。治療後に炎症が再発し、歯肉が腫れたり、出血することがあっても、炎症が治まってしまえば、あたかも歯周病が治ってしまったかのように思えることもあります。
炎症をくり返していても、その都度治まってくれれば、抜歯は避けたくなるものですが、ひどい歯周病は隣接する歯やその隣の歯の歯周組織の破壊につながります。そのため、一見抜歯は必要ないように思われる場合でも、ほかの歯を守るために抜歯という処置が必要になることもあるのです。
また、歯肉の長引く炎症やくり返す炎症は、全身の病気や不調を来す原因になることがあります。治療しているにもかかわらず、歯肉の腫れや痛み、出血をくり返すようならば、歯を抜くことのほうが得策かもしれません。よく歯科医と相談し、今の現状を把握して判断することが大切です。
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