下がった歯肉を改善する「根面被覆術」
2016年10月26日
歯周病に関連して、歯肉が下がって歯根が露出し(根面露出という)、歯の幅と歯の長さがアンバランスになってしまうことがあります。また、根面露出は歯周病だけでなく、誤ったブラッシングや噛み合わせの異常などが原因で起こることもあります。
根面露出は、審美的障害をもたらすだけでなく、知覚過敏を引き起こしたり、歯面がくさび状に欠損してしまうなどの問題が起こることがあります。
「根面被覆術」とは、さまざまな原因で露出した根面を歯肉で覆い、審美性や機能性を回復するための処置法です。根面被覆術にはいくつかの方法がありますが、もっともよく用いられているのが、上顎口蓋側から切り出した結合組織を用いて露出根面を覆う「結合組織移植術」です。
近年は研究も進み、わが国でも根面被覆術が成果をあげていますが、一方でデメリットや適応とならない症例も明らかになっています。
1本の歯の周りの歯肉がすべて下がっており、全周にわたって歯根が露出している場合や歯周病が進行し、多くの骨がなくなった場合は、この根面被覆術は適応になりません。
根面被覆術が適応となるのは、歯間部歯肉(歯と歯の間の歯肉)があまり下がっておらず、表側(外側)の歯肉だけが下がっている場合です。また喫煙者は処置を受けても、結果が思わしくないこともあります。なお、根面被覆術は基本的に保険の適用外であり、自由診療となります。
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