根の治療では治りきらない場合 ~ヘミセクション・トライセクション~
2015年1月1日
今回も次回に引き続き、根の治療では治りきらない場合に行う外科処置のひとつ、「ヘミセクション・トライセクション」について詳しく解説していきます。
ヘミセクション・トライセクションとは、歯根分割抜去法とも呼ばれ、複数の根っこを持つ歯において、問題のある根っこを切断して抜去する方法です。
ヘミセクションは下の大臼歯などに多く見られる2つの根っこをもつ歯の片方を抜去する場合、トライセクションは上の大臼歯などの3つの根っこをもつ歯の1つの根っこを抜去する場合です。
<適応症>
1.複数の根っこがある歯のどれか一つの根管だけが根の治療をしても治ってこない、または根の先に大きな病変がある場合。
2.歯の根っこが1根にかぎり、垂直に割れている場合。
3.歯の根っこの1根にパーフォレーション(穿孔)がある場合。
<治療の流れ>
1.残す予定の根っこの根管治療を済ませておきます。
2.麻酔をし、抜去する予定の根っこを機械で切断し抜去します。
この処置を行った後の10年予後では38%が根っこの破折により抜歯となるという報告があります。
大臼歯部は咬み合わせの強い力がかかる所なので、一つの根っこがなくなるだけでかなりの負担を残った根っこが受けることになります。ゆえに、かみ合わせに関しては特に術後の定期的な観察が重要になってきます。
当医院では歯の定期的な検診をお勧めしております。
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