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歯科治療器具の消毒
歯科治療では抜歯やスケーリングなど観血処置が日常的に行われており治療器具を介して感染が伝播する危険性を含んでいます。
当院では、感染予防のためオートクレーブはクラスBのLisaを使用して滅菌を行っています。でも、クラスBと言うとB級グルメではありませんが大丈夫かな?と思ってしまいます。
このクラスBとは、ヨーロッパの基準によるクラス分けでA,B,C...の順番となっているのではありません。
ヨーロッパの基準によるオートクレーブのクラス分けについて見てみましょう。
種類 | 表示 | 対象 |
---|---|---|
Naked Cycle | クラス N | Solid Unwrapped 裸の固形物 滅菌後直ちに使用 |
Specific Cycle | クラス S | Hollow Unwrapped or Wrapped 裸または包装された中空物 メーカー特定の対象物 |
Big Autoclave Cycle | クラス B | Hollow and Porous Unwrapped or Wrapped 固形、中空、多孔性物 非包装または包装、一重・二重包装 |
ちょっと分かりにくい表ですね。
世界的に最も広く普及し、殆どの歯科医院で使われているオートクレーブは、クラス N で小型高圧蒸気滅菌器です。このクラスNのオートクレーブでは複雑な形態の器具や、細いチューブの内面、多孔体の紙や布などの治療器具を完全に無菌状態にするのは、実は困難なのです。
クラスSはバキューム機能を備え、蒸留水の蒸気を注入できる機種で、滅菌前に1度真空状態を作り出し中空物や包装されたものの内部まで滅菌できるクラスです。
>これに対し、クラスBのオートクレーブは、滅菌前のパルス真空(プリバキューム)を真空と蒸気の注入を交互に繰り返すことにより、チューブ状の内部や多孔体内部の残留空気を抜き、蒸気を細部の奥まで行き渡らせるようにします。これにより中空、多孔性物についても滅菌可能となります。また、使用するエアーはバクテリアフィルターを通した清浄なエアーを使用しており、あらゆる種類の被滅菌物を安全に滅菌することができる性能があります。
クラスSとクラスBの最大の違いは、クラスSが真空状態に1回だけするのに対して、クラスBは真空と蒸気の注入を交互に複数回繰り返すことで、残留空気を抜き、蒸気を細部まで行き渡らせ確実な滅菌が行えることです。
そのために、ヨーロッパの歯科およびに口腔外科向けに実施された感染予防ガイドライン(2006年7月)では、歯科及び口腔外科において使用される医療器具の滅菌には、クラスB のオートクレーブの使用のみを推奨しています。

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