治療後5年10ヶ月 1.歯内療法
2014年12月27日
左下の第一小臼歯(4番目の歯)の歯茎から出血するため来院されました。
この歯の周りを指で押すと血と膿が出てきます。
膿が出ている状態は、細菌が血管内に入り菌血症を生じたり、全身状態が悪く抵抗力が低下している高齢者では、敗血症に移行することがあるため注意が必要です。
初診時のレントゲン写真です。
主訴の第一小臼歯には根尖(根の先)付近から右側にかけて病巣が見られますが、犬歯、側切歯の根尖にも病巣があります。
3歯とも治療が必要ですが、側切歯は犬歯と根がくっついているため残すと歯周病になりやすくなるので抜歯することにしました。
また、第一小臼歯の右側の骨は大きく欠損しているので、根管治療と歯周治療を行うよう計画しました。
まず、側切歯を抜歯。
次に犬歯、第一小臼歯の根管治療をおこない、根管内から新たな感染が生じないようにしました。
犬歯の根尖病巣は経過観察をすることにして、次は第一小臼歯の遠心の骨欠損の処置です。
第一小臼歯も経過観察して骨の回復具合を見るのも良いと思いますが、第一大臼歯部に歯牙移植をおこなう計画を立てていたので、移植の時に第一小臼歯の右側の根面と骨面を掻把してエムドゲインを使い骨の再生が得られやすいようにしました。
治療後5年10ヶ月のレントゲン写真です。
犬歯と第一小臼歯の根尖病巣はなくなり、治癒しています。
第一小臼歯の右側の骨欠損も回復しています。
右端には移植した歯が見られます。
長年あった不快な症状はすべてなくなり、質の高い生活を得られて、毎日を楽しんでいらっしゃいます。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院