インプラントか? 根管治療か?
2014年12月19日
右下の奥歯の下のほうが1週間程前からズキズキと痛みだし、夜は痛くて眠れないので歯科医院に受診されたところ、神経を抜いた治療済みの歯の奥が大きく化膿していることがわかりました。
根管治療に3ヶ月以上かかり、成功率は低いことや、場合によっては歯根が破折している可能性もあると説明されインプラントを勧められたが、もっと良い治療法がないのかと当院を受診されました。
レントゲン写真では根尖(根の先端)から根の前側にかけて化膿していて、歯肉にはフィステル(膿が出る穴)ができていますが、破折しているのかは分かりませんでした。 (破折は見ただけでは見つけずらく、根管治療をしながらマイクロスコープで精査しないと分からないことが多いです)
冠を外し、ラバーダム防湿ができるように隔壁を作り、治療を始めましたが、次回の治療の時には、いままで数か月間続いていた痛みはなくなっていました。
歯根は破折していなかったため、根管内を清掃、拡大し水酸化カルシウムを貼薬して消毒。
十分に消毒してからガッタパーチャで加圧根管充填し、4回で根管治療を終えることができました。
根充時には痛みや膿は出なくなっていましたが、歯肉にフィステルが小さなオデキのように残っていました。
化膿していた所は広範囲にわたっていましたので、根管外にも細菌がバイオフィルムを形成している可能性があります。
今後、病巣が改善しなければ意図的抜歯をして根尖を切除するか、不要となっている親知らずを移植することを検討しなければなりません。
根管治療終了後11ヶ月のレントゲン写真です。
歯根の前にあった透過像はなくなっています。
根尖付近の病巣はまだ残っていますが、小さくなっていて、骨が出来てきているのがうかがえますので、もう少し様子をみたいと思います。
フィステルはなくなりました。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院