Preparation (良い補綴物が入るための準備) 5
2013年9月20日
歯髄への影響はどうか
歯を削る時はいつも歯髄に損傷を与えないためにはどうすれば良いか考えます。
支台歯形成(クラウンを入れるための形成)では歯の4〜5歯面にわたり歯を削るため、削除刺激が歯髄に加わる機会も多くなります。患者さんのご希望、年齢、歯種、歯の形態、咬合(噛み合わせ)状態などを考慮して補綴物を選択し、その補綴物を作るのに必要なスペースだけの形成量に止め、過度の形成により歯髄に損傷を与えることを避けなければなりません。
削除刺激の中に形成時の摩擦による発熱があり、その発熱を抑えるために形成時は水で形成面を十分冷却しながら行います。
形成時の発熱を考えるとき、歯髄までの距離に注意する必要があります。
形成面と歯髄との距離が0.5mm以下となると歯髄の損傷変化が顕著となるため、歯表面から歯髄腔までの距離を参考に慎重に形成します。
切削時の圧力も影響します。
強い力を加えて形成するとバーと歯質との間に過度の温度上昇が生じ歯髄に損傷を与えてしまうため、歯面をなでるように軽い圧で形成します。
形成時に使用する切削具も歯髄に影響を与えてしまいます。
形成面の仕上げに用いるカーバイトバーはダイヤモンドバーよりも歯髄への影響が大きくなるため、その使用は慎重にせねばなりません。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院