Preparation (良い補綴物が入るための準備) 3
2013年9月13日
“マージンの形態や位置はどのようにするのか”
マージンとは削った部分と削っていない部分の境界で、このマージンがノコギリの歯のようになっていたらどうでしょうか?
補綴物を入れた場合、補綴物はマージンまで装着され、マージンと同じになります。
マージンがノコギリの歯ようだと補綴物のマージンも同じようにノコギリの歯のようにしなければなりません。でも、それは不可能です。そのため、マージンは補綴物が製作しやすい滑らかな曲線にする必要があります。
しかし、ダイヤモンドバーで形成したマージンはどうしてもノコギリ状になってしまうため、形成後にマージン部を研磨する必要があります。大工道具のカンナのように表面を滑らかにする研磨用のバーを使って研磨します。
研磨用バー
マージンの位置はどこにしたらいいのでしょうか?
マージンの位置が歯肉に近くなれば歯を削る量は増えていきますが、補綴物は外れにくくなり、マージンの位置が歯肉から遠ざかれば歯を削る量は減りますが、補綴物が取れやすくなります。
歯質を温存することは歯にとって大きなメリットとなりますし、歯髄への影響をおさえられたり、万が一むし歯になったとしても早期に発見しやすくなります。また、形成の難易度は増しますが形成後の治療が簡素化され技術的エラーが生じにくくなったりもします。
審美性を重視される方は、補綴物にオールセラミック・クラウンを選ばれれば、ご満足いただけると思います。
大臼歯オールセラミック・クラウンの症例
オールセラミック・クラウンのマージンをマークしてみました。
前歯に関してもこのような理由でマージンを歯肉の上に設定したいところですが、審美性が重要視されますので歯肉の下に設定せざるを得ません。
名古屋 中区 栄 一壺歯科医院